2012/08/06

北島康介選手が生み出すチーム力


朝日新聞のコラムで競泳男子メドレーリレーの秘話が書かれていた

松田選手が言った「康介さんを手ぶらで帰すわけにはいかない」
この言葉は直接北島選手に向かって言ったわけではないけれど
メダルのために何でもやる!という意気込みで練習が行われていたということ

それが、北島選手に遠慮なくアドバイスすること

リレーはスタート台で助走したり、腕を振ったりできるので
タイミングがきっちり合えばスタートロスが減る仕組み
(もちろん、タイミングをずらすとフライイングの原因となる)

北島選手は予選ではまっすぐに飛ぶ事ができなかったようで
藤井選手が北島選手に「腕を途中で止めて飛び込むように」とアドバイスしたとのこと
3学年下の藤井選手は冗談めかして「康介さが”キー”っすよ」と言ったそうだ



このエピソード、かなりスゴイ!
北島選手のオープンマインドで他人を受け入れているコト
他選手の尊敬する先輩に勇気を持ってモノを申して高め合うコト
これは信頼関係がないとできない

なぜなら「尊敬」はどこか”間違いに触れてはいけない”というタブーを感じさせる
尊敬する先輩=完璧という方程式
特に北島選手は2000年から競泳界を盛り上げてきた立役者
オリンピック2冠を果たした実力者でもある
尊敬はもちろん、伝説をつくった男でもあるのだ


北島選手は後輩から口を出されることにプライドが傷つき
相手を否定することもできる
他選手は、北島選手の栄光を傷つけたくないし関係を壊したくないと
何も言わないこともできる

それでも彼らはそうはしなかった
北島選手は後輩の実績やメダルに掛ける想いを受け入れ
後輩にアドバイスをされること、自分が結果を残していないこと
そういった自分のプライドは横に置き
アドバイスを聞き入れた

他選手はきっと北島選手に言うのはスゴく勇気がいったと思う
伝説の男にアドバイスをすることなんて可能なのか?と
それでもメダルのために、北島選手のメダルのために行動を起こした

これらは日頃から培った関係が成せた代物
伝説をつくり、後輩を讃え、競泳界を引っ張る北島選手
その背中を見つめて、追いかけ、自分たちも伝説をつくるべく切磋琢磨する

北島選手はたとえ伝説だろうと先輩だろうと競泳界の立役者だろうと
そんな肩書きが持つ名声や権力を仲間に使うことはせず
「お兄さん」として自分を律し、他人を讃え、楽しくやってきたんだと思う
もちろん怒ることも、間違いを指摘することもあるだろう
けど、一貫して「尊敬できるお兄さん」の態度で接してきた

あとはスポーツマンシップの上下関係も影響を与えていると思う
これは他選手が北島選手に接する際の態度
常に敬い、連絡をして、相手を立てる

本当にスゴイよ、この人たち
全社会の先輩、部長、社長にも身につけてほしい
肩書きや権力に固執せずに、チームを育てる力
このテーマで本を書いてほしいな

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