2012/04/20

マイクロソフトでは出会えなかった天職

title:マイクロソフトでは出会えなかった天職
author:ジョン・ウッド
publish:武田ランダムハウスジャパン

マイクロソフトで出世街道を歩んでいた著者が
社会起業家としての天職に目覚め、成功中の道のりを描いた本

人にはそれぞれの価値観というのがある
金持ちになりたい、いい生活を送りたい、ファーストクラスで旅行したい
人を助けたい、笑顔になってもらうことで幸せを感じる、バックパッカーで旅行したい
それぞれ正しくて、何が間違いってことでもない
でもこの価値観が人生を決めることは間違いない
著者のジョンと元恋人のソフィが別れた理由も、この価値観の違い

社会起業家の大事な素質って
啓蒙と資金集めの2点だなって感じた

自分の考えや理想、目標を啓蒙して
共感してもらった人たちに資金提供をしてもらう
これに尽きるんだなって

世間をよくしたいとか世界をよくしたい、何かを撲滅したいっていう
信念を持ち続けること
何よりもそれが大事

金持ちが税金対策として行う慈善事業とは違うビジネスモデルとして
誰でも参加できて、参加を促せるビジネスモデル
こういうちょっと角度を変えた視点がステキです

そして何よりも行動と人脈
信念や考えを行動を起こし人に伝える
人がまたその友達に伝える
こうやって作り出されるネットワークが成功へと導く

なんで天職に出会えたのかな
それは、今までの人生の蓄積だと思う
「ネパールで図書館を開く」ことが最初の目標
(どんどん国は広がっていき、パソコン室へと拡大するけど)

ネパールなど貧困層が多い国へのバックパッカー
子どものころから大好きだった本
本が集まった図書館へ通った子ども時代の思い出
マイクロソフトでソフトウェアを売る仕事
これらがミックスされてジョンのビジョンが出来上がった

だから
わたしのビジョンも
わたしの過去に隠されているのかもしれないよね
そう再認識させてくれる本

最初の学校の建設は、個人からの本の寄付も続々と集まり、ある大手出版社は2万5,000冊を寄贈すると約束してくれた。(p.94)

営業の仕事の経験があれば誰でも分かるように、はっきり拒絶されないうちは、あらゆる手を尽くしたとは言えないのだ。(p.94)

私には意欲があり、エネルギーが山ほどあります。必死に働くこともいといません。テクノロジー業界時代の人脈はかなり広く、みんなを説得して寄付を集めることができます。そして、私は人にお金や行為を求めることを少しも恥ずかしいと思いません。(p.96) ※自分ができると思う理由は?と聞かれたときに答えた内容

慈善活動の世界は市場の圧力も弱く、明らかにビジネスのルールでは動いていなかった。(p.97) ※でもその中で、ビジネスの考え方をしている人もいて、彼のビジネスモデが評価されることになる。

僕は「夢を買う投資家」の存在を知った。ドレーバー・リチャーズ財団(DRF)だ。DRFの理念は、できて間もない組織を探していることと、年間10万ドルの奨励金を3年間提供することだ。何よりも、お金の使い道に制限がまったくなかった。選ばれた「フェロー」hは奨励金でやりたいことをしていい。(p.99)

彼(DRFのビル)は、僕やスタッフの経歴と、資金集め担当のボランディアについて詳しい説明を求めた。「私は人に投資をする。まず、きみたちのスタッフについて説明してほしい。人材がよくなければ、組織が成功する望みはないからだ。ボランディアが資金集めを始めているということだが、どんな人たちがやっているのか、具体的に教えてくれたまえ」「この資金集めのモデルは、世界を変えたいと思っている人のすべてが、いまの仕事を辞めてまで行動を起こすわけにはいかない、という現実に基づいていたものです」。(p.104)

ビルは黄色いノースウェースの寝袋に目を留めた。「重要なレポートがあるときは、これが僕の家になるんです」「そう言ってほしかったんだ。一生懸命働くことをいとわない人がいい。非営利団体には『仕事は9時から5時まで』の精神の持ち主が多すぎる」(p.106)

制約のない資金は、組織運営の間接コストに使い、「プロジェクトの養親に」という出資モデルを通じて集めた寄付を学校や図書館、奨学金の直接的コストに投資できる。(p.107)

食事の代金や検診の費用、それらのサービスを提供するスタッフの給料などを払うためには、お金を集めなければならない。慈善活動の世界において、資金集めがいかに軽蔑すべきささやいな仕事とみなされ、できる限り無視したいと思われているかに、僕は驚いていた。(p.108)

ただし、現実を無視しても問題は解決しない。モノを売るたびに損を出していれば、そのビジネスはいずれ行き詰まるだろう。(p.108)

若い組織には、粘り強さと営業能力を兼ね備えたスタッフが必要だ。「お金をください」ということを恐れないスタッフが大切なのだ。(p.109)

さらに重要なのは、相手の「ノー」を答えと思わずに、何度でも可能性を追い求める精神がDNAに組み込まれていることだ。たとえば、僕は断られたらこんなふうに言う。「ダメですか? 『今はダメ」という意味ですよね?」(p.109)

哀れみを利用して寄付者に懇願することは、貧困者をおとしめることになる。そのような写真を見せることは人間の尊厳を否定している。罪悪感をマーケティングに利用してはならない、と僕は思う。(p.115)

寄付しようとする人は、人生に希望と楽観を求めているからだ。彼らは解決策をみつけたいと思っている。寄付のもたらす希望を共有するのだ。もちろん、大勢の命が直面している悲惨な状況を、一般の人に伝える必要がある。でも、それはCNNやBBCに任せればいい。僕は、むしろ解決策を提示して、寄付者やスタッフやボランディアに、参加してほしいと訴えたい。(p.115)

マイクロソフトでは「大きく行け、それができなければ家に帰れ」と言われていた。これこそ、何か変化を起こしたいすべての人に送るアドバイスの核心だ。今日の世界が直面している問題は、とてつもなく大きい。少しずつと言っているヒマはない。時間と権力をつぎ込む価値のある目標があるなら、大きく考えるべきだ。(大胆な目標を立てるときは、時間に余裕を持たせることも大切だ。)(p.139)


いい人材を見つけたら、カネを出して雇うことだ。それ以上の見返りをもたらしてくれるからだ。(p.148)

一人の寄付者に頼り過ぎない。たった一人が寄付をやめたり、金額を縮小したりするだけで、組織全体の計画が白紙になりかねない。(p.147)

鷹は舞い降りた。一つの学校で満足しないで。資金はすでに2校分を確保しました。さらにプロジェクトを見つけてください。資金は集まります。1万〜1万2,000ドルで1校分を丸ごと支援するという今回の方法を、寄付者は喜んでいます。自分たちのお金がどこに行くのか、はっきりわかるから。(p.150)

ルーム・トゥ・リードの成果を記すのだ。ニュース番組で画面の下に株価のテロップが流れるようなもので、数字は適宜更新される。(p.161)

マイクロソフトのスティーブ・バルマーがスタッフの扱いに機転をきかせ、敬意をもって接していることに気がついた。怒鳴りつけたり、人格を攻撃したりはしない。平凡な実績は容赦なく叱責するが、個人攻撃はしなかった。「個人を攻撃してはいけないが、アイデアは攻撃していい」と言われる。誰とでも、どんな内容でも議論する権利がある。(p.163)

マイクロソフトのまねをしたいと思う3つの組織文化
1、具体的な数字に基づくこと・・・すべては数字に置き換えることができ、すべての管理職は自分の仕事に関する数字をひとつもらさず精査すること。関係ある数字はすべて確認して、頭に叩き込むくらいの情熱がなければ、データと実績を中心に回るスティーブの世界ではやっていけない。
2、起業家はたくさんの志望者をやり込めなくてならない。情熱があって、自分の数字を知っている人間だけを雇うこと
3、忠誠心・・・部下のおことは何でも知っているんだ。彼は部下に厳しい要求をするが、部下は彼も自分たちに応えてくれることを知っているのだ。

志望者は僕との面接の前に、組織のことを詳しく調べるほど情熱とやる気があるのだろうか。(p.165)

僕たちは、勤勉さと結果重視の精神と情熱がある人しか採用しない。(p.172)

すべての成果はチームの成果であると、強調することも大切だ。「僕を優秀に見せてくれる素晴らしい人たちに囲まれて、本当に幸運です」。(p.173)

僕たちのだれも、一人ではカーネギーの成し遂げたことを実現できない。でも、みんなで協力して、数十人(やがて数百人、数千人と増えていく)のエネルギーを合わせれば、カーネギーより大きな目標を描くことができる。(p.177)


必要なのは、それぞれの都市で、ものごとの進め方がわかっている人間を見つけることだ。彼らをひとつにまとめて、資金集めのネットワークを作れば強力だ。現地のチームを2倍に増やせるし、プロジェクトの数も2倍に増える。(p.180)

ネットワークは、ほとんどは大胆な目標達成に向けて協力したいという僕の友達たちが始めたものだが、それぞれが新しいボランディアやリーダーをみつけていた。(p.183) ※やっぱり、最初は友達とかから始めるんだなー。

詳しい戦略はなかった。でも、計画は完全に立てて準備を整えるまで待っている間に、世界は動きつづけ、通りすぎてしまうこともある。(p.239)

いったん大胆な目標を宣言すれば、そのもとに大勢の人が集まる。(p.239)

枠がなければ人は創造性の筋肉を動かして、自分の役割を自分で作り出す。準備が100%整っていたら創造性は必要でなくなり、ボランディアの意欲も薄れていただろう。(p.240)

「節目の年齢に対する不安は、自分の人生にどれだけ満足しているかに関係するんだろうね。自分のやっていることが大好きで、いい友人と家族に囲まれていたら、40歳も50歳も60歳も、ただの数字に過ぎない。不安になる理由なんかないよ」。(p.270)






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