2012/01/18

book // スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン



title:スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン
author:カーマイン・ガロ
publish:日経BP

相手の頭に入り、不満を取り除き、解決してあげる
そのストーリーが大事
そして何より、人間の頭は飽きやすく記憶できない
だから簡潔に短く、ズキュンと胸に刺さる言葉が必要

プレゼンの仕方どうこうではなく
プレゼンに対する向き合いから
なぜプレゼンを行うのか
というのをまず理解しないといけない

プレゼンって何も製品、サービス、会社だけの問題じゃない
「自分自身をプレゼンする!」というのにも役立つ
だから就職活動中の人にも必見!的な感じで売り出してほしいな
日本では一辺倒で金太郎飴みたいなやり方が横行している

自分自身をプレゼンする
という視点を取り入れればいいと思う

「語る情報を入れる場所を私の頭の中に用意してくれないと困るんだ。
問題提起なしに解決策を提示するアントレプレナーに用はないよ。
カップも用意せずにコーヒー(アイデア)はいかがですか?って言われてもね」
この言葉が印象に残った
(ジョブズの言葉じゃないけど)



優れたコミュニケーターは、まず効果的な計画を立てる。訴えるポイントを選び、目を引くヘッドラインを考え、話の流れを追いやすく整理し、共通の敵を導入して劇的に効果を盛り上げる。(p.20)

シーン1、「計画はアナログでまとめる」
シーン2、「一番大事な問いに答える」・・・聞き手が知りたいことはただひとつ、「なぜ気にかける必要があるのか」である。
シーン3、「救世主的な目的を持つ」
シーン4、「ツイッターのようなヘッドラインを作る」
シーン5、「ロードマップを描く」
(p.21)

傑出したプレゼンテーションを作る9要素
1、ヘッドライン・・・聴衆をつかみ、聞きたいという気を起こさせる
2、パッションステートメント・・・「この製品(会社、構想、未来など)が私は好きだ。なぜなら・・・」。パッションステートメントができたら、恥ずかしがらず、胸を張ってみんなに伝えよう
3、3つのキーメッセージ
4、メタファーとアナロジー・・・アナロジーとは、異なる2つを比較することにより、その類似性を際立たせる手法だ。
5、デモ
6、パートナー
7、実例と推薦・・・プレゼンテーションには、必ず事例を紹介しよう。言葉を引用するだけでもいいが、できれば顧客がはなしているところを録画し、その動画やウェブサイトやプレゼンテーションに埋め込もう。
8、ビデオクリップ・・・プレゼンテーションではビデオクリップを使うべきだが、その長さはせいぜい2分から3分にとどめることだ
9、フリップチャート、小道具、実物で説明・・・人は学び方で3種類に分けられる。ものごとを目から吸収する人、耳から吸収する人、体から吸収しようとする人である。3種類の人、全員にアピールできるようにすべきだ
(p.3139)

アリストテレスの人を説得する方法
1、聞き手の注意を引くストーリーやメッセージを提出する
2、解決あるいは解答が必要な問題あるいは疑問を提出する
3、提出した問題に対する解答を提出する
4、提出した解答で得られるメリットを、具体的に記述する
5、行動を呼びかける。ジョブズの場合、「今すぐここを出て買ってくれ」
(p.41)

プレゼンテーションの対象が自分ではなく、聴衆であること。聞き手は「なぜ気にかける必要があるか」と必ず自問している。まずこの問いかけに答えてあげれば、聴衆を話に引き込むことができる。(p.48)

ジョブズ流の販売員はやさしい言葉を使い、わかりやすい実例でメリットを示し、なぜプロセッサーに注意を払う必要があるかというお客にとって大事な唯一の問いにはっきりと答えている。(p.51)

聞き手は、「なぜ気にかける必要があるか」と思いながら聞いている。聞き手を儲けさせる方法なら、そう伝えよう。節約ができるなものなら、そう伝えよう。作業がやりやすくなる、あるいは楽しくなるものなら、そう伝えよう。なるべく早い段階から、くり返し、はっきりと伝えよう。(p.55)

ジョブズのプレゼンテーションは、製品を売ろうとしていないことが分かる。ジョブズが売ろうとしているのは、よりよい未来という夢なのだ。(p.59)

ジョブズは「どのように」の前に、「なぜ」を説明する。(p.59)

自分はおかしいんじゃないかと思う瞬間が人にはある。その異常こそ天賦の才の表れなんだ。(p.67)

偉大なプレゼンテーターにとって会話とは、その情熱を他人と分かち合う方法なのだ。(p.68)

ジョブズはコンピューターがつくりたかったわけではない。人の可能性を束縛から解放するツールを作る事。それがジョブズの胸で燃え続ける欲求である。(p.74)

ジョブズやハワード・シュルツなどのコミュニケーターは、自分の製品で人々の暮らしをどのように改善するのか、その熱い想いを抱いている。そして、その想いを恥ずかしながらに表に出す。大事なのは、世界を変えるというビジョンに突き動かされていること、「宇宙に衝撃を与える」というビジョンに突き動かされていることだ。(p.77)

ジョブズはだいたいこういうカタチで製品の紹介を行う。ヘッドラインを打ち出し、それを膨らませた後、ヘッドラインを繰り返し繰り返したたき込むのだ。(p.90)

アップルのヘッドラインが記憶によく残るのは、3つの条件を満たしているからだ。簡潔、具体的、そして、利用者にとってのメリットがある。「1000曲をポケットに」(p.93)

(ロードマップは、)3点か4点以内で概要をまとめ、流れが追いやすいストーリーを作ること。(p.102)

必ず3点か4点にまとめてポイントを紹介したあと、最初のポイントから順番に詳しく説明し、最後にそれぞれのポイントをまとめるのだ。これがジョブズ流だ。こうするだけで、提供する情報を聴衆が確実に覚えてくれる。(p.108)

3つのキーメッセージ、それぞれについて、効果を高める部品を用意する。体験談、事実、実例、アナロジー、メタファー、推薦の言葉などだ。(p.121)

人々が気になるのは、問題を解決すること、その結果、少しだけ暮らしやすくなることだ。だからジョブズは、みんなが感じている痛みを取りあげ、その理由を示し(普通は競合他社が原因として挙げられる)、痛みを治療する方法を提示するのだ。(p.130)

新製品や新規サービスの説明にいは文脈が必要なのだ。ユーザーに「痛み」をもたらしている問題とどのような関係にあるのかという文脈が。痛みを明確にできれば、その痛みを和らげてくれる製品やサービスが受け入れられる可能性が高くなる。(p.131)

「語る情報を入れる場所を私の頭の中に用意してくれないと困るんだ。問題提起なしに解決策を提示するアントレプレナーに用はないよ。カップも用意せずにコーヒー(アイデア)はいかがですか?って言われてもね」(p.136)

解決策を示す前に、カテゴリーと問題を提示する。つまり、コーヒーに注ぐカップを用意したわけだ。(p.136)

問題提起は長い必要などない。ジョブズが適役の導入に使う時間はせいぜい2、3分だ。以下の質問、4つ全てに答えられる1文を作ればいい。⑴何をするか、⑵どの問題を解決しようとしているか、⑶ほかとはどう違うか、⑷なぜ気にかける必要があるか。(p.137)

大事なポイントを話すとき、スライドにたくさんの文字が書かれていると、しかも、しゃべる言葉と一致しない文言が書かれていると、話とスライドの両方に聴衆の注意が分散してしまう。(p.172)

プレーン・イングリッシュとは、対象となる読者や聞き手が一回目に読めて(聞き取れて)、理解できて、必要な行動が起こせるか書き方である。ウェブサイトでは、プレーン・イングリッシュの書き方ガイドが無償で提供されている。(p.188)

数字というのは、理解しやすい文脈に入れてあげないと力を発揮しない。そして理解しやすい形は、なんといっても、みんながよく知っているものと関連づけることだ。5ギガバイト→1000曲をポケットに入れる。(p.193)

アナロジーで数字にお化粧を施したのだ。アナロジーというのはふたつのももも似ている点を利用するもので、上手に使えばとてもわかりやすい文脈で数字を説明することができる。(p.197)

「よい宣伝文句はさらっと流れて話にとけ込む。悪い宣伝文句は話のネタになる。」ブログは、http://badpitch.blogspot.com(p.224)

英語の場合、UsingEnglish.com提供のツールで、文章がどのくらい「難解」かを確認する。(p.227)

製品やアプリケーションには山のようなメリットと機能が用意されているが、ジョブズはそのひとつにだけ焦点を当てることが甥。映画の予告のようなものだと思えばいいだろう。さわりだけ見せ、もっと見たかったら本編を見ろというわけだ。(p.255)

ジョブズのプレゼンテーションでは、1文ごとに聴衆の欲求が高まってゆく。今まで世の中に送り出した革命的な製品の話を聞いているうちに、こう思うようになるのだ。「どんな?すごいじゃん!なんだって?うそ・・・それはやく見せてくれよ!」。(p.279)

ジョブズのプレゼンテーションは、大きな発表でもちょっとしたことの発表でも、必ず、みんなが話題にする瞬間が作り込まれている。主役は製品、ジョブズは監督なのだ。企業社会のプレゼンテーションにおけるスティーブン・スビルバーグ、それがジョブズである。(p.279)

感動の瞬間に向けた筋書きを作る。十分に盛り上げてから爆弾を落とすこと。優れた小説が1ページ目で筋書きをすべて明らかにしてしまうことはない。(p.280)

普通のプレゼンテーターは、とにかく先へ先へと急いでいるように見える。いや、実際、急いでいることが多い。与えられた時間で話切れないほどの内容を詰め込んでしまうからだ。ジョブズは絶対に急がない。何度も練習して、ゆっくりとしゃべり、間をとって言いたい事が理解されるまで待てるように仕上げてあるからだ。(p.304)

トップクラスの人々は、みな意識的に練習している。なんとなく同じことを繰り返すのではなく、具体的な目標を設定して、他人から意見を聞き、長期的によくなるほうへ進もうと努力を続ける。一つひとつのスキルを繰り返し繰り返し、何年も何年も練習するのだ。(p.316)

私も、アドバイスを求められれば必要なことをずばっと言うが、逆に求められなければ、ああ、あそこを直せばいいのにと思っても余計なお世話かもしれないと遠慮してしまう。家族や友達、仲間も、やめたほうがいいクセがあると思っても向こうから言ってくれることはまずない。(p.329)

「バケツ方式」・・・厳しい質問や微妙な質問が予想されるときに便利な方法である
1、たずねられる可能性が高い質問をリストアップする
2、想定した質問を「バケツ」に入れる・・・入れ物となるカテゴリーを考えてバケツを用意する。ポイントはバケツを考えれば回答を用意しなければならない質問の数を減らせる点だ。7種類もカテゴリーを用意すれば、ほとんどの質問に対応できる。
3、カテゴリーに対するベストな回答を準備する・・・ここで大事なのは、どのようなたずね方をされても使える形にしておくこと。質問の文言にとらわれて、枝葉の議論に引きずり込まれないこと。
4、質問をよく聞いてキーワードを探す
5、質問者の目を見ながら、自信を持って回答する
(p.332)

「十分な準備をした」と言われるスピーカーも、想定される何百もの質問についてその回答を記憶しているわけではない。質問をカテゴリーに分け、各カテゴリーに対する回答を用意しているのだ。聞かれ方に大きな意味はない。質問に回答するとは、プレゼンテーションの中にミニプレゼンテーションを組み込むと考えていいだろう。(p.334)

顧客——X社にも同じような製品がありますが、御社のほうが10%も高いのはなぜですか?
あなた——価格についてのご質問ですね?
10%も高い」を手がかりとして、「価格」用に準備した回答を選んでいる。自分が想定した言葉と違っても、それを手がかりとした回答を取り出すのだ。
(p.334)

質問をどう処理したのか、それは「私の回答に対してどのように質問するか?」だ。回答はすべて用意されていたのだ。(p.335)

リーダーたるもの、他人よりも少しだけよい服を着るべきだ。新しい部下に初めて会うときには、その部下よりも少しだけ余計に輝く靴と少しだけ白が際立つシャツ、少しだけよくプレスが効いたズボンを履いておくのだ。(p.342)

5ステップで台本を捨てる
1、パワーポイントの「ノート」にしゃべる内容を文章で書く
2、1で書いた台本のキーワードをハイライトするかアンダーラインを引いてから、プレゼンテーションの練習をする
3、キーワードだけ残して台本を削除する
4、スライドごとに“ひとつ”のキーアイデアだけ頭に叩き込む
5、メモなし、スライドのみでプレゼンテーション全体を練習する
(p.349)

ジョブズのメモは下記のようなものだ。
マップ
モスコーニ・ウェスト
スターバックス、ラテ4000、持ち帰り注文
ワシントン・モニュメント
衛生を見せる
エッフェル塔、コロセウム
(p.352)

何があってもジョブズはステージを乱さない。問題があることをさらっと認めて話を続け、自分も大いに楽しむのだ。(p.361)

失敗とは、起きてしまった問題にあなたが注目を集めてしまったり、問題が起きた結果、あなたプレゼンテーションを台無しにしてしまったりした場合を言う。(p.361)

完璧でなければならないと思うのはスピーカーだけ。多少の失敗があっても最後までちゃんと話せば、聞き手は許してくれる。(p.362)

聞き手は情報を得ると同時に、楽しみたいと思っているのに、それを忘れてしまうビジネスコミュニケーターが多い。(p.363)


No comments:

Post a Comment