2012/03/03

スターバックス再生物語


title:スターバックス再生物語
author:ハワード・シュルツ
publish:徳間書房

名前を言えば誰もが知るブランド地位をキープするにはどれほどの苦労があるか
そのことが痛いほどわかる本

コーヒーのロマンを信じて
自分のビジョンを信じているからこそ
ウォール街経営が許せなかった

どんなに経営規模が大きくなろうと
それを支えている従業員をないがしろにすれば
土台が崩れることになる

しっかりとした経営基盤+しっかりとした従業員
この2つが組み合わさることにより成り立つブランド神話
お客様×パートナー×株主の3軸を満たす経営基盤と
お客様と直に接する従業員への待遇、信頼、尊敬
これらに対してアクションを起こし
未来への長期的なビジョンを指し示したことが素晴らしい



商人とはそういうものだ。靴やナイフやコーヒーといった日用品に新たな命を吹き込み、自分たちが作り出すものがほかの人たちを感動させることを信じている。自分たちが感動したように。(p.11)

人生には決断しなければならないときがある。たとえ、理屈や常識や信頼する人たちの忠告に反することしてもだ。リスクを負い、理性に逆らっても進もうとするのは、選ぼうとする道が正しく、最善だと信じるからだ。結果がどうなるかわからなくても、傍観者ではいたくない。ロマンの引き金になり、闘いに勝ち、大それた夢を追いかける活力になるのは、こうした熱い気持ちだ。自分を信じ、正しいことを信じれば、障害を乗り越え、人生を切り開くことができる。(p.16)

夢を描いて、一から築き上げた会社は、自身の一部であり、個人的な感情を抱かせる。(p.17)

わたしの情熱は信念に支えられていた。利益の名のもとに、倫理観や誠実さを失うことはありません。(p.20)

イル・ジョルナーレとしてスタートして、34歳のわたしには夢があった。全米に通用するコーヒーのブランドを確立することだ。(p.22)

商人は、ありふれたものに感情と意味を吹き込み、その物語を何度も何度も語るのだ。ときには言葉を使わず。(p.22)

感情的な結びつきを育て、お互いを尊重し、信頼しあうことができる企業文化はひとつの結果からは生まれない。目的とプロセスと心が必要で、それを常に微調整しなければならない。(p.26)

優れたブランドは様々な無形資産が集まって確立される。そうした資産は、企業の収益や利益には、表向きには現れないが、企業の持つ特質を作り上げる。それを失うことは、ささいなことながらも、組織全体にわたる損害をもたらすことになりかねない。(p.37)
会社を作り上げた起業家として、わたしはスターバックスや市場を、学校で知識を学んだ経営者とは違うレンズを通してみていた。そのレンズには強みも弱みもある。創業者の強みは、会社の基礎となるブロックの一つひとつを知っていることだ。会社を活気づかせるのはなにか、そのためにはどうすればいいかが分かっている。その知識が、その歴史が、成功のために必要な情熱を呼び起こし、何が正しくて、何が間違っているのかを判断する直感につながる。しかし、感情や自分の会社への愛情のせいで目が曇り、外側から新鮮な視点でみることができなくなってしまう。(p.57)

スターバックスのパートナーのつとめは、お客様の期待を超えるものを提供することだと好んで語ってきた。しかし、いま、パートナーたちは主にウォール街からの期待に応えることに注力しているようだ。(p.60)

長期にわたって株主のための価値を確立するには、まず最初に、パートナーと客様の価値を創造しなければならない。しかし、残念ながら、ウォール街は常に同じ考えというわけではなく、長期であるべき投資を短期間でとらえ、企業の価値を貶める。スターバックスがウォール街の片棒を担ぐようになったおもな原因は、こうした精神構造を受け入れてしまったからだ。とくに過去2年間、わたしたちは持続可能な成長を継続するために投資するのではなく、急成長するためにできるだけ速いペースで新店舗を開店させてきた。(p.87)

金融界の人々と話をするときは、セールスマンにならないように気をつけなければならない。できない約束をしてはいけいない。問題が存在し、解決には時間がかかることを認めるべきだろう。(p.87)

立て直しのための3つの戦略的柱は、当面の舵取りのための青写真である。
1、 米国の店舗ビジネスの現状を改善すること
2、 お客様との感情の絆を取り戻すこと
3、 ビジネスの基盤に対して長期的な改革をすぐに始めること・・・組織構造を再検討し、業務を丹念に調べて、コストを大幅に減らし、顧客サービスを改善するための改造を行う。
ここからより包括的で、理解しやすい変革に向けたアジェンダがつくられることになる。(p.90)

ジェームズ・ディーンが雨のタイムズスクエアを歩いている写真を添付したメッセージもあった。「しばらくは雨の中をひとり寂しく歩くことになるだろうが、きみならやれる」。リーダーであることの現実を理解している友人からだった。(p.91)

「ダウ・ジョーンズ」のコラムで、イエール大学マネジメントスクールの教授ジェフリー・ソネンフェルドが、復帰後、成功を収めたCEOの3つの資質を述べた。
1、 現職のCEOの評価を損なうつもりもなく、不本意ながら復帰している
2、 自分自身の評判を危うくしても、満たされないエゴの欲求を実現しようとはしない
3、 前回築き上げたものが信仰の対象ではないことを理解していること。変化が避けられないものであるのを受け入れていること。
(p.95)

伝統と革新。有意義な慣習と現代的な妥当性。何が儀礼的なもので、何が単なる習慣なのか。すべてを見直したり、捨てたりする必要はない。現状を変える前に、スターバックスとはなにかということを改めて考え、みずからに課した制約を超えて新たなる可能性を追求しなければならなかった。(p.97)

(コンサルティング会社が主催のブレインストーミングでの)ビートルズを象徴的なブランドと関連づける手法は素晴らしいと思った。自分たちや会社について考え、話し合うための新しい見方を提供し、創造的な状態にすぐに入る込む事ができる。(p.100)

スターバックスとの類似点を探し、いくつかのテーマについて話あった
象徴的なブランドは、時代の緊張感を理解している。希望を与え、ときには文化的な混乱を是正することもある。
象徴的なブランドは、“文化的権威”を有し、人々に時代を見る枠組みを提供する
象徴的なブランドは、歴史と遺産とを混合せず、みずからの価値を守り、与える
象徴的なブランドは、他者に破壊される前に、みずから破壊する
象徴的なブランドとして生き残るためには、目の前の人気商品を犠牲にしても、長期的な妥当性を重んじなければならない。
(p.100)

負けないためではなく、勝つための挑戦だ。過去何年かの間、スターバックスは恐れから行動を起こしていた。主に失敗を恐れていたのである。みずからを守るための受け身の行動だった。お客様に積極的に関わるのではなく、収益目標に届かないことから逃れるのが主な目的だったのだ。パートナーたちの勇気を呼び起こし、もう一度、大ヒット商品を生み出したいという欲求を育てるのはCEOの私の仕事だ。(p.108)

コーヒーとマーケティング部門の社員が、みずから味のテストを行い、多くの消費者が求めているものを知るため調査にでかけた。日替わりではなく、より一貫性のあるバランスのとれたコーヒーを売ってほしいと望んでいることがわかった。(p.112)

念入りな調査をし、情熱と知識を注ぎ込み、スターバックスの焙煎技術を駆使して、力強く、本格的な、しかしより親しみやすいブレンドを作ろうとした。深い味のコーヒーに慣れた人々にも受け入れられる、より滑らかで、それでいながら、スターバックスの伝統にふさわしいもの、お客様に自信を持って提供できるものでなければならない。(p.113)

中核であるコーヒーを信じ、既存店売上高の数字のためでなく、お客様のために最善をつくしたことで、スターバックスは内部から改革をする。わたしは、既存店売上高を意識しないことで、パートナーたちにそうしたメッセージを送りたかったのだ。(※行動で示す)。数字の力があまりにも大きかった。それだけがわたしたちの存在理由となり、ほかのことはどうでもよくなっていた。言ってもいいくらいだ。しかし、その束縛から解き放つことによって、パートナーたちに、改革が口先だけのもではなく、本気で変化を起こすつもりだということを伝えたのだ。(p.120)

具体的で、明確で、反復的なコミュニケーションは期待を植え付け、信頼を勝ち取ることができる。(p.127)

わたしは自分が行ったことや言ったことがどう理解されるかにとても気を遣っている。誰を相手に話しているのか。ボディランゲージはどうか。笑みを浮かべているか。あるいはいらだちで口をすぼめているか。スポットライトが当たるのは避けられないので、それを有利に使いたい。誠実で、率直でありながら、常に明るい希望を伝えようとした。取り組むべき難問が待ち受けているが、この難局を必ず乗り越えることができるのだ、と。(p.131)

売り手として、あるいは、顧客としての視点から店舗を訪れた体験について考えてみる事だった。なにを見て、聞いて、どんなにおいを感じるか。言葉以外のもので体験を強化するものはなにか。全員が観察したことをノートに書き、あとで発表することになっていた。小売店の訪問は、顧客であるときの気持ちを思い出させるだけでなく、会議をするときも、ビジネス上の意思決定をするときも、常にお客様を中心に考えるのが重要だということを、リーダーたちに教えてくれた。(p.144)

スターバックスは、人々にサービスを提供するコーヒービジネスではない。コーヒーを提供するピープルビジネスなのだ(p.183)

投資家たちは、スターバックスの文化を守るという無形の価値を理解していなかったのだ。(p.183)

(イベントやプロモーションなどを通して)商品と市場への提供の仕方には、スターバックスで成功する3つの要素があるという結論に達した。
パートナーが参加できる
お客様のニーズにあう
会社にとって正しい
(p.186)

経営陣の誰もがビジョンを信じているわけではなかった。わたしが決めた戦略をきちんと実行できない者もいた。わたしがCEOに復帰したとき、2度目のCEOを勤める他のCEOから言われたことを思い出した。「経営陣のほとんどは、1年以内に辞めるか、変わることになる」(p.187)

スターバックスで最も優れた店長は、コーチであり、上司であり、マーケティング担当者であり、起業家であり、経理担当であり、コミュニティへの大使であり、商人である。将来に明るい見通しをもって問題を解決し、店を創造的に、しかし、データ分析に基づいて運営し、情熱と知恵を持ってお客様を増やし、パートナーたちのロイヤルティーを強化し、利益を拡大しなければならない。仕事に個人的感情を抱き、店を自分のもののように考えることが必要になる。(p.191)

スターバックスは長年、収益性の高い店をつくり、運営して成功してきた。それは売上と投資の比率を2対1にするという、意欲的な経済モデルを忠実に守ってきたからだ。賃貸料と店舗の内装に40万ドルかかったとすれば、開店後12ヶ月のうちに80万ドルの売上が必要になる。(p.198)

2008年、初めてこの比率を維持できない店舗が何百も現れた。1日のうち、人件費に見合う収益を上げられない時間帯が長くなったのである。(p.197)

成長が事業を行うための主な原則となったために、収益やコスト削減のことを忘れ、建設費の値上がりや温め用のオーブンなどの新しい設備に使われる費用を効率的に管理することもやめた。そして、お客様が出費を控えるようになったとき、コストの増大と売上の現象という致命的な組みあわせに直面した。つまり、スターバックスの経済モデルはもう機能したいということだ。(p.197)
ユニクロのいう、膨張。これに対して対策を打てなかった(打つには遅すぎた)から、機能しなくなったしまった。

どの店を閉めるかという選択はすべて財務的に判断した。業務を改善し、景気がもとに戻っても、求められる収益が見込めないと算出した店舗は、閉店が決まった。スターバックスは、2億ドルの損益計上と店舗解約の違約金1300万ドルを含む34000万ドルの予定外の費用を計上することになった。(p.200)

企業が大きくなったからといって、成功を持続できるとは限らない。わたしを魅了した大きな数(4万店舗)は大切なことではない。(p.200)

辞めなければならない人は、少なくとも30日前に解雇通告を出すつもりだった。大量解雇を行う小売業としては、あまり聞かない措置である。また、パートナーの個人的な問題を支援するための専門家を置いた。(p.201)

重要なのは、業績だけでなく、スターバックスの文化に合った価値観や、生まれながらのセンスを持つ人を見つけられるかどうかだ。社内での駆け引きとか、上司ばかりを気にして部下を顧みないとか、尊敬が得られなかったり、チームプレーヤーとして信頼できなかったりいった人は、毒になる。(p.226)

サプライチェーンの改革の戦略は、次の3つの言葉だった。「サービス、コスト、人」。そして、3つの目標を立てた。
1、 注文者に優れたサービスを提供する。彼らはわたしたちのコーヒーをお客様に提供する店舗やホテルだ
2、 コストを節約する
3、 社内の人材を教育して、輸送、物流、品質管理のスペシャリストを採用する
(p.241)

店長の役割は、1週間に100万人のお客様とのやり取りを監督するのではなく、お客様との1回のやり取りが1週間に100万回起こるのを監督することだ。(p.256)

U2のボノは)「『市場で大切なのは道徳ではなくて金だ』っていう人がいる。それは古い考え方だと思う。間違った選択だよ。大企業は利益を追う一方で、自分たちの価値を守る。ブランドの価値は商売と思いやりをつなぐ新しいビジネスモデルを作りだす。それは心と財布さ。今世紀の偉大な企業は、賢く成功を収める一方で、企業の本当の成功は収支表では測れないという考え方に敏感じゃなきゃならない。」(p.260)

「ブランドスパークス」と名づけた。利己的な売り込みをせず、文化や人道的な問題にからめることができる機会を活用し、巧みで、意表をつくマーケティング手法は、スターバックスの企画の特徴である。(p.278) ※選挙に行ったって行ってくれたらコーヒーを無料にする。とTVCMを一回流し、twitterYoutubeで流し、Facebookでは「行く」「たぶん行く」にクリックさせる。

景気をコントロールすることはできないが、それに合わせてどう業務を行うかを決めることはできる。新しい支出を減らしたり、凍結させたりするだけでなく、より費用がかからない業務モデルをつくるのである。(p.281)

取締役会の役割は会社を経営することではない。会社の経営が確実にうまくいくようにすることだ。(p.281)

世間いっぱいの考え方の逆を行くのだ。それが、スターバックスの存在の基礎である。いま、わたしたちはふたたび、飲み物の新しいカテゴリーを創出するチャンスを手にしようとしている。(p.315)


最良のイノベーションとは、存在することさえ認識する前からニーズを感じとり、満たし、新しい考え方をつくることだからだ。(p.319) ※インスタントコーヒーを指す

インスタントコーヒーも、ありふれたものから新しいものを考案し、使い古されたものを新しく魅力的なものに換え、ライバルから市場を奪うのではなく、新しい市場を作りだしたのである。(p.319)

(リーダーシップについての研究で一目置かれている友人であるウォレン・ベニスは)リーダーの能力で最も重要なのは、正しい判断をすると同時に直感を大切にし、知識と知恵に基づいて土台を作り、目的を達成するまであきらめないことだ。(p.320)

優れたリーダーには、2つの関連する要素があると思っている。「自分の組織が正しいことをしているという揺るぎなき自信」と「人々を率いる能力」だ。(p.331)

イノベーションとは、商品を見直すことではなく、関係について考え直すことだ。(p.342)

優れた店舗開発戦略には、互いに連関するいくつかの要素が欠かせないと考えていた。好ましい他の小売業が近くにある、人通りが多く目立つ場所を借りる、ブランドのイメーを大切にしたデザイン、高品質でありながらコスト効率の良い建設、慎重な資産管理だ。(p.351)

(店舗開発責任者として復帰したアーサーは、)まず最初に、自分のものとしてあてがわれたオフィスを共用のミーティングルームにした。それから、パーテーションを外して、部全体をクリエイティブスタジオにした。何ヶ月かのうちに60人いたコンセプトデザイン部門の人員を9人に減らし、他のパートナーを昇進させたり、新しい人材を雇ったりした。(p.352)

シェアードプラネットとは、コミュニティ、環境保全、倫理的調達というわたしたちの哲学を包括するものだ。持続可能性、緑、オーガニック、再利用、再目的化、地域、コミュニティ、そして、もちろん、コーヒー。これがスターバックスの新店舗デザインの合い言葉になった。(p.352)

ファースト&パイク店のドラマチックな店舗デザインは、ほかの店で繰り返し使うのではなく、未来の店舗への道標とするつもりだ。(p.353)

グループが会話を交わす事ができる長さのある共有テーブルに、情報を貼ることができる掲示板、色合いは柔らかく、建材の質感を生かし、わずかながら壁にはアートが飾られている。より象徴的で、オリジナルで、慎重に選んだ作品はこれからの標準になっていくだろう。持続可能性、再利用、再目的化した材料も、よりフォーマルな椅子の並べ方も、子どもに優しいスペースなどもそうなる。(p.353)

伝統的なスターバックスとは外観も異なり、スターバックスという名前さえ使わず、通りの名前で呼ぶ事になっていた。(15番街コーヒー&ティー、ロイ通りコーヒー&ティー)(p.354)

店長もバリスタも社内のデザイナーも、通常のスターバックスの店舗ではできないことを試すことが許された。たとえば、15番街では、ベストリーはシアトルのエッセンシャル・ベーキング社から直接買い、スープは地元の料理店主トム・ダグラスが作ったものだ。ワインとビールは地域のワイナリーやビール会社から仕入れたもので、サーモン、チーズ、イワシなども提供したことで、夜の来客も増えた。バリスタは緑のエプロンではなく、なにを着てもいい。15番街のテープルと椅子はリサイクルのしゃれたもので、壁紙には本のページが使われていた。コーヒーの試飲、詩の朗読、映画鑑賞などを行い、お客様が持ってきたCDをかけるときもあった。(p.355)

あちこちの店舗で、リーンによって仕事のやり方が変わり、お客様の満足度が改善され始めた。パートナーたちは、いかに働き、協力して環境を変えていくかを積極的に考えることによって、実は、店のオーナーや起業家のように、一人の商人のように行動したのである。(p.362)

リーダーの能力とは、他の人に自信を与えることだと思って言う。初期の頃は、スターバックスのミッションとブランドの一貫性を会社全体に刻み込む事がわたしの役目だった。しかし、いまは、この経験から学んだ知恵を伝え、経営陣の新しい考え方を理解しやすい言葉で伝えていかなければならない。(p.392)

時間とリソースがあれば、新しいPOSシステムとマストレーナを別の国にも広げようと思っている。クローバーもだ。シアトルの本社からエキスパートを派遣し、店舗デザイン、リーンによる改善、ソーシャルネットワーキングの知識をマネージャーや提携先の企業にも伝えるようにしたい。新しいレベルでのコストの抑制や世界中の物流を改善するためのより効率的なサプライチェーンの構築にも取り組みたい。(p.393)

わたしたちは、創造性と規律、起業家精神とプロセス、さらに徹底した技術革新(イノベーション)が健全なバランスを保つ文化を取り戻した。しかし、この2年間で一番重要なことは、困難に直面しても、わたしたちの価値を守り抜いたという自信である。(p.400)

リーン方式・・・店舗では、リーン方式の実践によって、優れた業務の実践が可能になり、コストを抑え、パートナーのやる気を刺激する一方で、完璧な飲み物と世界一流の顧客サービスと提供する新たな道を開くことが可能になった。バリスタたちのアイデアを正式に採用して共有すると同時に、バリスタたちは問題解決に取り組み、アイデアを交換している。(p.409)
店舗に裁量を任せて、自主的に顧客サービスを変更してもよい。本社から言われたことが必ずしも、お客様に対してよい事であるだけでなく、効率性を疎外する内容であることがわかったためである。
通常、ビジネス界では、余剰と無駄を省き、労働者が働きやすい環境を作るとともに、商品と顧客サービスの質を向上するための経営や労働管理の手法とされる。そして、リーンの哲学が、仕事のやり方と環境を改善するためにどうしたらいいかという意見を従業員に求めることだった。リーンは従業員にどうやって仕事をするのか指示するのではなく、仕事のやり方を任せることによって、パートナーたちに敬意を示すスターバックスの文化と同じものだと考えた。(p.357)

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