2012/03/30

recruting 官僚的な不採用通知が顧客離れを引き起こす


多くの企業の採用活動に疑問を感じている

なぜ、募集は独創的なのに不採用通知は官僚的なのか?
ということ

就職難で不況の時代だから
新卒も第二新卒も中途も60歳以上も
就職活動をしている
だからこそ倍率は凄まじくて
大手では300倍!なんて話もあるくらい

私はグッと気持ちが動く会社への応募をしているので
ひとつの会社にかける時間や意気込みは高い
そうでなく、内定通知をもらえずに希望にあわなくても応募する人もいる

そんな応募者に共通するのは「不採用通知」をもらってショックを受けること
程度の差はあると思うけれど
やっぱり「拒否」されるって内心ではショックなこと

そして何よりもやるせないのは
募集広告や説明会、会社説明パンフレット、採用ページなどで
「みんなとお会いできるのを楽しみにしています」
と言っているのに
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お送り頂きました書類にもとづき厳正に選考した結果、
誠に残念ながら貴意に添いかねることと相成りました。
何卒ご了承下さいますようお願い申し上げます。
略儀ながら、メールにて通知申し上げます。
貴殿の今後のご健勝、ご活躍を心よりお祈り申し上げます。
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といったような
「不採用通知」検索でズラーっと出てくる定型文を送ってくること
極めつけは、「採用に関するご質問は受け付けておりません」の一言

このメールって
その会社に何かしらの好感を持って応募した人を
敵に回しているのと同じこと
どんなに企業イメージをよくする広告や広報をしたところで
このメールをもらった何百人という人が
この会社に少なからず悪い印象を持つことを知っているのだろうか

マーケティングで「新規顧客への販売コストは、既存顧客の5倍かかる」と言われ
多くの企業で既存顧客を囲い込むような施策を日夜考えているにも関わらず
かなり深く会社を知ってもらった人を
元々大好きだからその会社で働きたいと思ったロイヤリティの高い人を
たった1枚のメールで
今までのマーケティングの苦労が泡と化してしまうのには気づかないのだろうか

特に小売業、飲食業などのBtoCの会社は
採用活動の官僚的なメールで
企業イメージをダウンさせるのはリスクが大きすぎるんじゃないだろうか


いくら「わたしたちは皆さんのパーソナリティを大事にしています」と謳っていても
1枚のメールでこの「謳い文句って嘘なんだ」「信用ならない会社だ」となる気がする


もちろん1枚1枚に対してメールを書くのは大変だと思う
けれど、お客様窓口に来るメールは1枚1枚返信をするのに
同じく既存顧客であり潜在顧客でもある応募者に対して
一律のメールを返信するのってどうなんだろう

お客様窓口で対応するようなone To one なやり取りを
採用活動に求めるのは間違っているのだろうか
書類選考で基準を満たさなかったところとか
面接をして社風と合わなかった性格とか
どこがダメだったのかを指摘してくれるのは無理なのかな

一度きちんと「何がマッチしなかったか」を答えてくれた企業があった
大好きなブランドを扱っている企業で
面接もとても好感触を得ていたのに不採用通知をもらったとき
「なんでダメだったのでしょうか?」と返信をしてみた
そしたら「求めていたスキルがあなたには足りないから」と明確に指摘してくれた
この回答で私は「このブランドやっぱり好きだな」って思い直した

多くの人は不採用通知への返信はしないと思う
だから「なんでダメだったんだろう?」っていう
次に生かすにはどうすればいいの?っていうモヤモヤとした疑問を抱えている
「今後のご健勝、活躍をお祈り」しているのなら
そのために活躍するための一歩として就職のアドバイスをしたり、
「雨の中ご足労いただきありがとうございました」って一言入れてみたり
一般顧客と同じようなサービスをするのも顧客満足度向上につながるんじゃないだろうか

採用活動はマーケティングの一環である
この認識が広まればいいのになーと思う

だって、従業員が会社の顔となり
何百人という応募者が潜在顧客となる
これってまさしくマーケティングなんだから!


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