2011/12/17

book // 佐藤可士和の超整理術




title:佐藤可士和の超整理術
author:佐藤可士和
publish:日本経済新聞出版社


SMAP、ユニクロ、明治学院大学、今治タオル、、、、
それ以外にもいっぱいいっぱい世間をあっと驚かせるアートディレクターの本

2007年に買って、読んで、寝かせていた
あの頃はただただ 彼のスキルをちょっとでも覗きたいと読んでいたけど
その後経験を重ねた事もあって
「あ、やっぱりそうだよね」という実感に変わった。

結局は他人(クライアント)の思考をどこまで理解し表現できるか
そこにかかっている
それを整理という言葉でわかりやすく解説してくれている
仕事にも自分の将来性にも役立つ本です







↓大事な部分の抜粋↓

発砲酒のマイナスイメージをプラスに変換することを考えました。
決して無理やり導き出したのではなく、裏を返せばポジティブな見方ができるということです。そのポジティブなイメージを端的にビジュアル化したのが、簡潔でクールなパッケージや広告表現なのです。(p.24)

クライアントがアピールしたいことを整理して、きっちりよさを伝えれば、正しく評価されるようになります。クライアントと綿密にコミュニケーションを重ねることで、答えが見つかる。それを的確に表現することで、商品と世の中もスムーズにコミュニケーションできるようになるのです。(P.28)

答えはいつも、自分ではなく相手の中にあるからです。それを引き出すために、相手の思いを整理するということが、すごく重要になってくるのです。(p.29)

どんなにカッコイイ”作品”をつく手も、本当の意味で人の関心を引かなければ意味がない。単に奇抜なだけの表現は、瞬間的に注目されるだけで、すぐに記憶から消えてしまいます。商品の本質をきっちり捉えて効果的に表現してこそ、心に残るものを作ることができる。大切なのは自己表現じゃなく、どう人々に伝えるか。(p.32)

なぜこのデザインにしたのかという過程を相手に理路整然と語れるように、自分の思考回路の整理をきっちり行うようにしたら、作品からあいまいな部分がどんどん消えていきました。頭の中に一点の曇りもなくなると、目的がフォーカスされて、ビシッと論理の筋道が通ってきたのです。(p.34)

物事の根源まで立ち返って解決しようと思わないと、本当の意味での問題解決にはなりません。表面の絡んだ糸だけをほどいても、奥がこんがらがったままではしょうがない。とはいえ、実際では本質的な問題が見えないまま、その場しのぎの対処がなされている場合が、実に多いのではないでしょか。どの企業でも、本質的な問題にはなかなか目がいかず、自分たちの商品に誰もが関心があるはずだ、という前提で物事を進めているのです。(p.42)

キャンペーンやCM自体が目的なのではなく、「注目を集めることが大切だ」という本来の目的に一度立ち返ってみればいい。(p.44)

整理プロセス
1、状況把握・・・絶妙なニュアンスまで問診で把握する
2、視点導入・・・視点を持ち込んで、問題の本質に迫る
3、課題設定・・・課題を見つければ、問題の半分は解決する
(P.47〜)

問診とは、現在置かれている状況をきっちり把握し、問題点や重要な点を浮かび上がらせるためのもの。いかにリアリティを引き出せるかが重要なポイント。五感で感じることで、デリケートな状態を汲み取ることが基本です。(P.50、51)


情報の因果関係をはっきりさせていきます。並べ替えたり、プライオリティをつけていらないものを捨てたりすることで、あいまいな部分をなくしていきます。これがこうだからこうなる、という関係性を見出し、整合性がとれるように整理していく。(P.52)

問題の本質とは、いかに発砲酒であることを気づかせず、ビールらしく見えるかを苦心してアピールしている。発泡酒本来のオリジナリティを打ち出していなかったので、かえって安さばかりが強調される結果となっていたのです。だから、「発泡酒独自のポジティブな立ち位置を築くことが最重要課題だ!」と確信しました。(p.53)

取り除くネガティブな点がある場合。これは、課題をクリアすることで問題解決されます。誇るべき点があるのに埋もれてしまった場合は、堀り起こした誇るべき点を磨いてアピールすることが課題となります。(p.54)

”マクロに引いてみる”ことで問題の本質を浮かび上がらせましたが、”反対側から捉えてみる”ということもまた、視点を見つけうえでの重要なキーワードなのです。(P.56)

世の中のモノは、フレームが決まっていないから、扱いにくいと思うのです。大きさ、カタチ、固さ・・・すべてバラバラだから整理がしにくい。それを、ボックスというフレームを設定して、フォルダのように入れ子にしてしまえば、見た目は驚くほどスッキリします。(P.110)

広告の受け手側は、発信者側の思いなど、ほとんど意に介しません。なぜなら、日常生活のなかでは、自分の身の回りの出来事に精一杯になっているからです。人は自分の心にバリアを張っていて、無意識のうちに外部情報を遮断しています。ですから、伝えたい情報を相当きちんと整理した上で、筋道をたてて戦略的に伝えることを考えないと、受け手の心のバリアを破って入り込むことができないのです。(p.113)

企業のブランディングに携わる際に大切なのは、”相手の心の中に、ブランドイメージを建築する”ことだと考えています。つまり、ブランド名を聞いただけで、立体的かつ複合的なイメージ像を浮かび上がらせるということ。(P.119)

しっかりとした家を建てるために一番大切なもの。それは、”ビジョン”です。ビジョンとは、クライアントが真に到着したいと望んでいること。それはまた、クライアントが潜在的に秘めているものであり、”あるべき姿”といてもいい。つまり、最大パーフェクトが発揮された理想的な状態のことです。(P.121)

ビジョンを探るために不可欠なのが、”視点”を持ち込むことです。定めた視点によって、クライアントの”あるべき姿”を正確に導き出し、最終的に最もインパクトのある伝え方ができれば最高です。視点を持ち込む感覚は、ネットの検索エンジンがわかりやすい。莫大な量のデータベースから、欲しい情報を取り出すためには、キーワードを入力する必要がある。いわゆるグーグルの田地人と呼ばれる人たちは、視点の持ち込み方の達人と言えるでしょう。(p.123)

本質を探るということは、一見、物事の奥深くに入り込んでいくようなイメージがあるでしょう。でも実は、どんどん引いて離れていくことだと思うのです。客観的に見つめてこそ、今まで気づかなかった真実や大事なエッセンスを発見することができる、(p.125)

相手の立場に達、相手が持っている材料の中から、魅力を最大限に引き出すという姿勢で挑まなければ、クライアントの課題を解決することはできません。(p.129)

大事なモノは、対象の中に必ず潜んでいるはずです。パッと見えてこないなら、整理しながら視点を見つけていくしかありません。情報を正面からだけでなく、多面的な視点で見つめ直してみました。(p.142)

視点を見つけるプロセスは、どこか暗号解読に似ています。まったく異なる要素をさまざまな視点からアプローチして解読していくと、最後に「新しい」という暗号が浮かび上がっていく。(p.143)

別アプローチは、「迷ったら具体的なシーンを思い浮かべてみる」ということです。さまざまなTPOを想定して、自分が取り組んでいる物事をどのように説明するかを閑雅て見るのです。会社でプレゼンする場合、彼女に説明する場合、取材されて答える場合。具体的な人物像を想定します。「人に説明するときに、どんなふうに紹介したらいいだろう?」という思いから、さまざまな立場に立って考えてのです。自分が館長ったら、お客さんの立場だったら。(p.148)

”思考”の整理に非常に長けている人は、話がわかりやすい。自分の考えを整理して精度を上げることで、いちばん大事なことをブレずに、明確に伝えることができるのです。(p.152)

他人事を自分事にできると、リアリティが生まれる(p.172)

誇るべきビジョンが明確に伝わらないと、客の立場からすれば、そのブランドの商品を買う理由が見つからないのです。ユニクロの本質であり、研ぎすませていって世界に打ち出したいものといえば、「美意識のある超合理性」。(p.179)

売り方ではなく、買い方に視点の軸を変えたことで、問題解決の糸口が見つかった。(p.
198)

情報整理のポイント
・視点をひいて、客観視してみる
・自分の思い込みをまず捨てる
・視点を転換して、多面的に見てみる

思考整理のポイント
・自分や相手の考えを言語化してみる
・仮説をたてて、恐れず相手にぶつけてみる
・他人事を自分事に考える
(p.214)


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