2011/12/31

book // スティーブ・ジョブズ驚異のイノベーション



title:スティーブ・ジョブズ驚異のイノベーション 人生・仕事・世界を変える7つの法則
author:カーマイ・ガロ
publish:日経BPマーケティング

「自分の好きなこと、心が叫んでいることを実現すること」
自己啓発本や自分探しの本、全てに書いてあることを
ジョブズは実現していた
自己満足ではなく、世界をよくしたい
そのツールとしてコンピューターを使った
ただそれだけ

心の、頭の中に、完成イメージがあって
そのイメージに近づけるために追い続ける

「ビジョン実現のために自分が手を動かす必要はない」
ジョブズのビジョンはジョブズだけでは実現しない
エンジニアやデザイナー、経理、事務、アシスタントなど
ジョブズには向かないし知識のないことが山ほどある
それでもビジョンを声高にプレゼンすることで
ビジョンに共感した人やビジョン実現を夢見る人がついてくる

必ずしもビジョン実現のために自分が全てをやらなくていい
できないことや不得意なことは他の人にやってもらって
得意なことに集中すればいい
(ジョブズなら、ビジョンの再現性をジャッジし、ビジョンをプレゼンすること)

自己啓発本や今まで出会った本に書いてあったことが
ジョブズも体験して成功している
それが分かった本




ジョブズがカリグラフィーのコースを取った理由は、すごく興味をそそられたからだ。過去を振り返ったとき、初めて、点と点がつながる。興味や関心に従っていれば、いつか、収まるべきところにすべてのピースが収まるものだ。そう信じて進むしかない。(p.43)

仕事というのは人生のかなりの部分を占めるものであり、そこで本当の満足を得るためには、すばらしい仕事だと信じることしか方法はありません。そして、すばらしい仕事をするためには、自分の仕事を好きになるしか方法はありません。まだ見つけられていない人は探し続けてください。妥協しないこと。心がからむものはそういうものですが、見つかれば必ず分かります。(p.51)

自らの情熱を把握し、それを活用してアイデアを製品やサービスへと仕上げていく。これこそ、世界を変えるほどのイノベーションを生み出す道なのだ。(p.51)

(人を採用する上で)もっとも重視するのは、卓越の可能性です。アップルでは、新しいものの創造に喜びをみいだす人を欲しています。ベストな人材を見つけるのに6ヶ月かかるなら、待つしかないのです。何か新しいものを創り出すエネルギーを持つ人を捜すのですから。我々は、「驚かせてくれ(surprise me)を座右の名に仕事をしていました。(p.66)

(イノベーションに成功した共通のポイントは)とことんこだわり、没頭し、そのこだわりをもって差別化する。まわりではなく、自分の心に従うのだ。どこかで必ず夢の実現を妨げる障害や挫折に出会うわけだが、そのとき、前に進むためには何より情熱が必要だ。(p.66)

大好きなことをしていれば、さまざまなカタチで魔法が働くようになると思います。大好きな仕事なら、周りの人よりも熱意を持って働けるはずです。ああそれから、自分に変えられないことや周りの人がどう思うかを気にして時間を無駄にしないことも大事です。(p.70)

つくるモノを示すのがミッション。どのようなカタチで世界をよくするかを示すのがビジョンだ。(p.96)

情熱があってもビジョンがなければどうにもならない。両方がなければイノベーションは生まれないのだ。(p.101)

アップルの場合、全員が横一線に並んでスティーブ・ジョブズに追い立てられるという点でしょう。つまり、どのグループもどのプロジェクトもジョブズのビジョンと一体なのです。(p.110)

新しいアイデアが成功するためには、トップが明確に示す全体的なビジョンに沿っていること、また、ビジョン実現に向け、そのトップが組織の力を集中させていることが必要なのだ。(p.110)

スティーブ・ジョブズは、コンピューターに何ができるのかをビジョンとして提示し、ファンを獲得した。そして、IBMの支配から大衆を守る最後の望みというビジョンでファンをエバジェリストへ変えた。ビジョンがエバジェリストに意欲を与える。そして、エバジェリストこそが着想をイノベーションとして成功させるキープレーヤーとなる。(p.120)

伝導の極意は、あなたと一緒に歴史を作りたいと情熱的に示すことだ。売っているのはモノではなく、夢なのだ。売るのではなく、道を説く。それがマッキントッシュ流だ。そして、道を説くためにはビジョンがなければならない。(p.122)

(チームメンバーがあきらめてデモ用のソフトウェアを出荷させてほしいと頼んだが、)スティーブは耳を貸さなかった。意外なことに怒りもしなかった。ソフトウェアチームがいかにすぐれているか、アップルのみんながいかに期待しているかを話した。そして、反対意見が出る前に電話を切ってしまう。事に臨んで立てと発破をかけられたのだ。みんな、スティーブのめがねにかなった連中だった。失望させられるはずなかった。(p.123)

卓越さが求められる場に慣れていない人もいる。卓越さが求められたとき人は期待に応える。しかし、大きな目的をリーダーが示し、それをチームが信じたとき、初めて期待に応える行動が生まれるという点だ。貧弱なビジョンからは貧弱な努力しか生まない。(p.124)

アップルのエバンジェリストは「それはできません」とは言わず、「どうしたらいいか、今はわかりませんが、なんとかします。と言う。(p.124)

エンタジーが提供しているのは電力だが、その社員は会社が掲げるもっと大きなビジョン、人々の暮らしをよくするというビジョンを信じている。アップルがつくるのはコンピューターだが、その社員は会社が掲げるもっと大きなビジョン、人々の暮らしをよくするツールをつくるというビジョンを信じている。優れたリーダーが魅了的なビジョンを掲げ、卓越を求めた時、チームは思いもよらないほどの力を発揮する。(p.127)

魅力的なビジョンには、3つのポイントがある。
1、具体的・・・スタバの立ち上げこんセプツ「職場でもなく家庭でもない第3の場所」
2、簡潔・・・何をしたいのかを10ワード以内で表現できないなら、私は投資しないし、買わないし、興味もない。
3、徹底的・・・すべての媒体で一貫して同じビジョンを訴える。
(p.133135)

「普通の人にコンピューターを届ける」
「10年以内に人を月面に立たせ、安全に地球まで連れ戻す」
「子どもたちに優れた公立小学校を与えなければならない」
「究極のアイスクリーム体験として世界にその名をとどろかせる」
(p.135136)

できる人は去り、凡人だけが残る。平凡な会社にならないためには、優秀な人々を少人数ずつチームとして、それぞれに夢を追わせるのがいい。(p.136)

ビジョンとは世界のイメージ、とても刺激的で、優秀な人から優れたアイデアを引き出すことができるイメージである。(p.137)

自分を「ブランド」と考えるなら、自分が実現したいことをビジョンとして掲げる必要がある。大きなビジョンを掲げれば、毎朝、目も覚めれば気力も充実するだろう。(p.137)

やる気になるビジョンがなければ、まわりから無理だと言われたとき、前に進むことは難しい。(p.138)

「いつでも自分と自分のビジョンを信じること。まわりがどう思おうと気にするな」(p.139)

素晴らしいアイデアのみの力でブランドを差別化することはむずかしくなってきた。これからの10年はアイデアの勝負ではなく、アイデアが力を発揮し行動へとつながる舞台を用意できるか否かの勝負になると見ている。(p.139)

過去のさまざまな体験をつなぎ合わせ、新しいものを生み出す力があるからだ。その力は、彼らがほかの人より多くの体験をしてきたり、経験について深く考えてきたりして身につけたものだ。残念なことに、この産業に属する人は、その多くが幅広い経験を積んでおらず、結び合わせるべき点が不足している。(p.147)

無関係に見える物を結ぶということは、人類が成し遂げてきた最高の物に触れ、それを自分の課題に取り込むということです。ピカソも「優れた芸術家はまねる、偉大な芸術家は盗む」と言っています。我々は、(コンピューター業界以外の)偉大なアイデアをどん欲に盗んできました。(p.151

具体的には、炊飯器とコンピュータという、基本的に何の関係もないはずのものを「つないだ」のだ。両者のいいところを組み合わせようとしているからだ。(p.152

「他人と違う考え方をする」鍵は、開拓者の目を持ち、人と違うカタチで物事を認知することだ。そして、開拓者の目を持つためには、いつもなら見逃すはずの連関を脳にむりやりつくらせる必要がある。(p.155

関わる場所や人を選び、そこで新しい体験を探し出す。その結果、創造的な着想が生まれたわけだ。(p.156

新しいやり方で課題にアプローチするというカタチも有効だ。スティーブ・ジョブズの場合、アナロジーやメタファーを使って顧客の問題を他人と異なるカタチで創造的に考える。(p.157

聞き手になじみがなくても、よく知っているものと比べれば、そのコンセプトを受け入れてもらう可能性が高くなる。(p.157

マネージャーの多くは、現状を大きく変えるのではなく、少しだけよくしようとする。「どのように」という問いでは、そういう小さな改善に向かってしまう可能性が高い。大きな変化につながるのは「なぜ」「仮に」という疑問の持ち方だ。(p.167

「ノートブックとスマートフォンにはさまれたカテゴリーのデバイスがないのはなぜだ? そういうものをつくったとしたらどうなるか?」(p.167

初心とは、物事を拒絶しない、どん欲に学ぶ、先入観を持たないということだ。(p.167

イノベーターもネットワークを醸成するが、やり方が変わっている。自分の知識を広げてくれる人と交わろうとする。新しい経験や新しい人々を意識的に求める。新しい考えに触れると創造性が呼び覚まされるとわかっているからだ。(p.170

新しい経験を求めると、創造的な道へ入ることができる。あただし、このアプローチを成功させるには、物理的・精神的に慣れたやり方を打ち破れば、おそらく今すぐではないが、いつか、飛躍のときが訪れると信じる必要がある。(p.176

「前を見ても点と点を結ぶことはできません。後ろを振り返らないと点と点は結べてないのです。だから、点はいつかつながると信じる必要があります。」(p.176

DJはクールに見られたくてMacを使っていたわけではなかった。信頼できるから使っていたのだ。ラスベガスやNY、ロンドンを代表するナイトクラブのDJになるーそれが彼の夢であり、その夢の実現に役立つからアップルの製品を使い、アップルのエバンジェリストとなったのだ。かっこいいMacでいかした人だと見られるのは、おまけだ。(p.189

「普通の会社は、フォーカスグループの評価に合わせた製品を次々と打ち出し、豊富な選択肢を提供すればニーズを幅広くカバーして顧客を獲得できるはずだと考える。アップルは逆で、つくる製品を絞り込み、マーケティングで客を誘導する。」人は目の前に突きつけられるまで自分が欲しいものがわからないものであり、だから、フォーカスグループで開発するのは難しいとジョブズは言う。(p.192

アップルは、究極のフォーカスグループ、もっとも厳しい基準を持つグループの意見を聞けばいい。つまり、自分たちがどう思うか、である。「僕らは、まず、自分が欲しいものは何なのかを把握する」(p.192

イノベーション「コンサルタント」は、顧客の声に耳を傾け、新製品や新サービスの開発や展開に顧客を直接巻き込むべきだと手を変え品を変えて言っているわけだ。こういう言葉がスティーブ・ジョブズの口から出ることはない。(p.192

アップルのイノベーションを支える秘密は、人々が抱える問題に対して、まったく新しい考え方の解決手段を提示するというカタチで行われる。顧客がまだ気づいていないニーズを語れるほど密着しろと。(p.193

消費者価値こそ、会社に利益をもたらす源泉だ。アップルの利益率が高いのは、コアな顧客のニーズを重視しているからだ。(p.194

顧客から新しいアイデアは出てこない。過去に体験したものが繰り返されるだけだ。(p.202

目標はいつも同じー誰かを笑顔にするーであることを忘れてはならないのだ。優れたものを追い求め、現状を根本的に変えたいと思い続けなければならない。(p.204

顧客のことを肌で知っており、彼らの苦労を理解していたからだ。このアイデアは「ニーズ」を満足したわけではない。サブウェイのサンドイッチを必要とする人などいない。ただ、毎日の暮らしをほんの少しよくしたい、ちょっと得した気分でおいしい食事がしたい・・・人々はそう思っているだけだ。(p.220

スターバックスはコーヒーをビジネスとしているのではなく、「第3の場所」が欲しいと望む顧客に夢を売ることで、成功した。クレイニアムも、ゲームをビジネスとしているのではない。彼らのビジネスは自信を売ることだ。アップルはコンピューターをビジネスとしていない。彼らのビジネスは個人に創造性を発揮してもらうことだ。製品と夢を区別できなければ、世界を変えるほどの製品やサービスを生み出すことはできない。(p.224

顧客が気にかけるのは自分のこと、自分の夢、自分の目標だ。彼らの目標達成を手助けすれば、もっと注意を払ってもらえる。そのためには、彼らの目標はもちろん、ニーズや心の奥底に潜む願いまで把握する必要がある。(p.224

自分の製品やサービスがどのような問題を解決し、顧客のペルソナの役にどう役立つかを理解すれば、自分本位のマーケティングから脱却して人々が競って求める有益な情報を提供し、その情報をもとに自社と取引するという選択を人々にしてもらうことが可能になる。(p.225

普通の会社ならユーク逝去のニュースをトップページかニュースセクションに追加するはずだが、アップルはそうしなかった。逆に、それまであったものを取り除いたのだ。(p.253

製品を絞り込み、集中的にリソースを投入して、一つひとつが並外れたものとなるようにする・・・それがアップル流なのだ。(p.255

イノベーションのポイントは、絞り込むことであってミニマリズムではないのだ。美しくデザインされたウェブサイトは、探しているものをすばやく見つけられうからエレガントなのだ。だから、人々がサイトを訪れる理由から注意をそらすものは、すべて排除すべきなのだ。情報を増やしすぎると訪問者の注意力が分散され、訪問目的からそれてしまう。(p.278

シンプルなサイトをつくるのは、時間もスキルも要求される。ごちゃごちゃと詰め込むほうが簡単で、誰にもできる。訪れる人のことなど考えずにつくったのだろう。(p.279

ウェブサイトを訪れる人々には目的がある。何か知りたいことがある、何かを読みたい、何かを注文したいなどだ。文字や選択肢を増やしすぎると、したいことがやりにくくなって顧客の体験が劣化するのだ。(p.280

型にはまった考え方をすれば、型にはまった着想しか生まれないということだろう。(p.297

ザッポスでは、ひとりの顧客に4時間もかけた社員がいたそうだ。そんなときシェイは「どうしてそんなに時間がかかるのだ?」と聞かない。聞くのは、「お客さんは感動してくれたかい?」だ。(p.310

他の業界から優れたサービスのアイデアを「盗んで」くればいい。他の業界に存在する何かを目に付け、それを応用して顧客の体験を大きく改善したとき、それをイノベーションと呼ぶ。(p.315

ジョブズのプレゼンテーションのやり方
1、ツイッターのようなヘッドライン
2、敵役・・・ヒーローと悪玉がいる。主役とともに敵役が登場するのだ。
3、3点ルール・・・いつも、3点に絞って、製品やアイデアの説明を行う
4、シンプルなビジュアル
5、びっくりするほどキレイないい言葉
p.332337

まず、自分を信じること。迷っちゃだめだ。世の中、それこそ大半の人、出会う人、全員といってもいいほど多くの人が、白か黒かという考え方しかできない。どんなものなの想像できないってこともあるだろうし、過去にこういうのがいいんだって話を誰かから聞いていて、そこに含まれていないアイデアだからってこともあるだろう。こういう人たちに足を引っ張られちゃダメだ。みんな、そのとき常識とされている見方しかしないってことを忘れちゃいけない。過去に見たり、触れたりしたものしか理解できないんだ。これは先入観とか偏見とも言えるもの、発明というものと決定的に対立する偏見なんだ。(p.356

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