2012/02/15

読む・書く・話すを一瞬でモノにする技術

title:読む・書く・話すを一瞬でモノにする技術
author:齋藤孝
publish:大和書房

自分を検索する
情報は机上の空論では意味がない
情報は組み合わせや変換によって価値が生まれる

こんなことを学んだ一冊

情報社会の中で誰もが情報にアクセスできるけど
上辺だけの情報だけでそれを自分のものにできないと
情報は価値を生まず、情報検索していた時間が徒労に終わる

「自分を検索する」って新鮮な響きだった
本を読んだり、体験をしたり、誰かの話だったり
すべてが自分の頭のスーパーコンピューターの中に入っていて
そのスパコンに検索をかけることこそ価値がある

私は本を読んでも誰かに話したりしないし
要約を聞かせることもないから
自分のスパコンに登録ができる手だてが少ないなって思った
何か情報を手に入れても
自分の言葉で再現できなくては意味がないんだもんな


新しい価値は、人の考えからではなくては絶対に生まれてこない。情報は人の考えの土壌となり、独自性のある考えを芽生えさせ、育てる温床となるものなのだ。(p.4)

ネットなどで情報検索をすればするほど、本を読むとか、企画をまとめるというような知的生産力は反比例してなえてしまうと感じる。(p.16)

頭の中を検索しても、考えようとしているテーマに関わる記憶、つまり情報を引き出し、それを手がかりに考えを進めていくと、速く、的を射た考えをまとめることができる。(p.18)

情報の記憶は、手にした布を水に浸すような感覚イメージで、自分の頭の中(暗黙知)にくぐらせなくてはダメだ。情報に出会ったとき、一度、自分をくぐらせておくと、その情報が自分のものになったという感覚が生まれやすくなる。そういう感覚があれば、その情報は、深く自分をくぐらせたといえ、のちのち、自分にヒント与えてくれる情報になっていく。(p.24)

知的生産力を鍛えたいならば、ときどき「自分の好きな映画ベスト3は何か」「自分を伸ばしてくれた言葉を、出来事とともに思い出してみよう」などど自分に問いかけ、短い時間内でさぁーと書き出すよいうようなことをやってみるといい。(p.43)

情報もきちんと仕込みを、出会った瞬間にすぐにやっておくことが大事なのである。こうした仕込みは必ずその日のうちに、できれば、情報に触れたその瞬間に行うのが重要なポイントになる。(p.49)

情報における仕込みには、その情報を使ったゴールの意識を持つことが重要だ。メモの例でいえば、「YOUたち」とメモするだけでなく、仕事意識、個人とチームを同時に意識させる言い方、などと書き添えておく。(p.49)

創造性とは、それまでになかったものを創り出すことだと思い込まれているようだが、実際にはすでにあるものの新しい組み合わせから、新たな価値を生み出していくことなのである。(p.52) ※佐藤可士和も同じこと言っていた。クライアントが答えを持っている。それをきとんと引き出すだけ。つまり、創造的に見えることも組み合わせマッチングが上手くいっているかということ。

整理し記憶するには、自分の持っている正解(引用)をいい、なぜその回答がおもしろいのかを相手に説明する。おもしろさを納得してもらえるように工夫して話すことで、自分のネタになる。こうすることによって、その本や他人からの情報を自分はどのようにとらえたのか、どのようなときに活用しようと思ったのかを再確認できる。(p.54)

読書の基本は、本に書かれていることを完全に理解することだ。その本の要約をいうことおができたり、引用したい一文を見つけ、それを普段、上司でも部下でも、だれかと話をするときに使えれば、その本の情報を十分活用しているといえる。(p.70)

サーチ力を鍛える要件の一つは、つねに問いをたくさん持っていること。アンテナをたくさん立てていること。(p.80)

本の中身はそれほど均等にはできていないもので、著者がその本を書くにいたったポイントはどこかに集約されている。そのポイントをつかんでしまえば、あとの部分はその枝葉だったり、広がりだったりするのだとわかってくる。こうしたところは省いても、本質にはそう大きな影響は及ばない部分である。(p.83)

主に情報を伝えるために書かれた本ならば、2割、もしくはそれより少し多く読めば、本のエッセンスは十分に味わえるし、時間も短縮できる。(p.83)

一人ひとりの体験に根ざす個人的な知識や信条、ものの見方、価値システムといったものを「組織的知識」にし、「組織的知識創造」まで深めるのは、日本企業の得意技であった。一人ひとりが読んだ本の知識を発表し、共有するシステムを作っていけば、その組織の「暗黙知」は大いに深まり、新しい競争力への源泉になると期待できる。(p.94)

キーワードは、建物でいえば、その本の梁や柱になるものだ。だから、これを抜き出して書いてみると、梁や柱がくっきりと浮き立ち、本の構造を一気に見渡せるようになる。読みながら、これは大事だと思う言葉に出会ったら、その言葉と出てきたページを(裏表紙に)来出しておく。キーワードが10個ぐらい並んだあたりで、その10個のキーワードで本の内容が説明できるか試してみよう。(p.102)

目次は著者の頭の中を映し出すものだから、目次を見れば、著者が書こうとしている全体像を把握できるのである。目次を拡大コピーして、その目次のコピーの該当する箇所には、このケースはこれというように、書き込みながら読み進めていく。目次(レジュメ)にポイントを書き込んでいくのだから、本の内容の縮小図が出来上がる。(p.106) ※目次はガイドマップみたいなもの



取り入れた情報がしっかり自分のものになったかどうかは、その情報の要約を、自分の言葉に置き換えて人に伝えられるかどうかでわかる。(p.114)

(見たまま、聞いたままの通りいっぺんの解釈だけでなく)裏があるかもしれない、反対意見があるだろういう気づきがあるかどうかが大事だ。人の意見を聞いたり、新聞を読みながら、頭のどこかにその背景はとか、反対の立ち番の意見はどうなっているのだろうという思いが馬部。こうして、しだいに複眼的な視点が身についていく。(p.116)

多様な考え方、さまざまな意見に触れることが大事なのだ。こうした体験を通じて、人は、矛盾や複雑さを共存させることを身につけていく。一つの傾向のものが大量にあるよりも、いろんな種類の、いろんな価値を持つ情報がたくさんあるほうが有用である。(p.118)

相手との話に出会ったから、ふろ思いついたこと、あれ、これもありだなと思った事とを口にするのは、相手にちゃんと向かい合っていないということではない。お互いに、相手の話が刺激になって、イマジネーションがどんどん広がっていく。そんな会話のほうが、お互いの話の情報価値はずっと高まったといえるだろう。その人と、あるいはその情報とふれあったからこそ、思いがけない界隈になり、さらにその話が広がっていく。こういう情報の伸びしろが広がることから、新たなイマジネーションが生まれる。(p.121)

「○○は嫌いだ」という感情があると、頭のどこかでは最初から拒絶してしまうバリアができてしまう。これでは、情報は頭に入ってこない。自分の嫌いな意見に対しても、その意見の内側にある感情は理解できるし、共感することができる。反対意見、相反する情報を取り込んでいかなければ、振幅が大きく、柔軟性もある、良質なデータベースは出来上がらない。(p.122)

リスペクトできる脳内スタッフ(偉大な人やアーティストなど)を3人ぐらい持つと、偏らず、一貫性がありながら、バランス感覚もある考え方ができるようになるだろう。(p.129)

情報は机上の空論では意味がなく、決断し、行動する、実際の知的生産に結びついていかなくてはならない。(※生身の成功や失敗ということ?)経営者の方々は、決断力、行動力に直結する情報はネットからではなく、本や雑誌などからでもなく、経営者同士の集まりなど、信頼できる人との交わり、人格の交流から得ているようだ。情報は、決断の背中を押してくれる力を持っていないと意味がない。(p.139)

青、赤、緑の使い分け
青・・・客観的に見て、まあ重要な箇所
赤・・・主観的に見て、最も重要な箇所
緑・・・主観的に見て、自分がおもしろいと感じたり、興味をいだいたりした箇所
(p.146)

自分では絶対に自信があるのに企画が通らない人は、頭の中では、緑色(自分が面白い)がいっぱいで、赤や青、つまり客観的に情報をすくい取ることができていないことが多い。一方、どう頭をひねっても、誰でも思いつくような企画しか出てこないという人は、日頃から情報に緑色をつけることに長けていない。(p.151)

(何か自分の感覚に触れたことが起こったり、言葉を聞いたとき)すかさず手帳に、ひらめいたアイデアを書き込み、日付とそのアイデアを思いついた会議の名、アイデアのヒントになった発言者の名前などを書いておくといい。(p.164)

手帳の色分けの中で、緑は趣味的にやる仕事や純粋の趣味、遊びなど、主にプライベーとな要件を書く。プライベートでも冠婚葬祭など必ず出席する用件は、赤で書く。(p.170)

本当の仕事は、情報を集めたところかがスタートなのだ。集めた情報を、ある角度をつめてもう一度見直したり、さまざまな情報をある角度で揃え直したりしてみる。(p.193)

最高のマーケッターとは、自分の経験を客観的なマーケティングデータにのせて、実感的に、生活者たちの本音のニーズを探り出せる人をいう。データだけからの発想では、生活者たちの皮膚感覚には迫れないのだ。(p.197)

私は、企画は情報と情報をいつくか混ぜ、再び組み立てる。いわゆる編集から生み出されるものだと考えている。(p.200)

企業内で飛び交う企画書の大半は思いつきの域を出ていないのではないか。バッググラウンドにある情報も貧弱ならば、おもいつきの企画も凡庸。それをパワーポイントを使ってグラフ化したりして見た目の格好だけをつけている。(p.200)

情報のずらしの方程式は、y=f(x)だ。 Y=変換(素材)である。つまり、fという変換の仕方に注目すると、アイデアは出やすい。例えば、こどもの企画で大当たりした商品があったら、これを大人の女性向けにアレンジしてみたらどうだろう。メンズにしたら?と考えてみる。fをいろいろ置き換えていけば、アレンジの幅はどんどん広がる。(p.204)





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