2012/02/16

ピーター・リンチの株の教科書

title:ピーター・リンチの株の教科書
author:ピーター・リンチ
publish:ダイヤモンド社

資本主義の歴史
言葉の羅列を見るだけで拒否反応を起こしてしまう内容だけれど
ピーターさんが優しく分かりやすく教えてくれます
社会の授業や診断士の経済学の授業はなんだったんだ!って思うほどの
身近な例えと文章で
歴史や動向が頭の中にスッとしみわたる

会社を人間の一生に例えたり
教科書という言葉がふさわしい

株を始めたらまた違う視点で読めるんだろうな
本棚行き決定です

何に投資をするか5つの基本型
1、貯蓄講座、MMF、国債、譲渡性預金
2、収集品(コレクション)
3、住宅、マンション・・・住宅の価値は、インフレ率に連動して上がる習性があります
4、債権
5、株式
(p.103)

貯蓄と投資の第一の目標は、インフレをカバーすることですが、近年では、インフレとトントンにするだけで3%の利回りが必要になるわけです。(p.103)

貯蓄口座は、お金が必要になったときに、ただちに引き出す事ができるという意味では、お金を置いておくのによいところです。まとまった資金になって他の投資対象に向けるまでのとりあえずの置き場所であって、長期的には、有利な選択肢とはいえません。(p.104)

基本的に債権は、金利を得るために投資をするものですが、利回り、利払いの時期、償還の期日などは事前にわかっています。CDTBは期限は数ヶ月から二年まで。債権は5年から10年、長いのは30年と長期になります。(p.107)

株式を買うということは、すべての権利と特権を持つその会社のオーナーになるということです。株主として、安全ネットはないのです。自分のリスクで進むよりほかありません。(p.108)

債権を買うときは、その点でまったく異なります。債権者は、貸し手であって、一定の期間、会社にお金を使わせるのです。利子はもらったとはいえ、元金はそのままです。債権の良い点は、株式の値上がり益を得られない代わりに、株式の場合のような値下がり損がないことです。(p.109)

債権にもリスクがあります。それは3点あり、1つは債還日が来る前に、途中で売却したときです。債権市場では、株式のケースと同じように、毎日価格が上下しています。2つ目は、債権の発行者が返済できなくなるケースです。債権投資にまつまるリスクの中で最も大きな第3のリスクは、インフレーションです。※インフレが起きても価格の変更は起きない(p.110)

株式投資で損をし続けるというのは、99%がしっかりとしたプランに基づいた投資行動をしていないことが原因です。(p.114)

株式投資では、20年以上というのが適切な時間枠でしょう。これは過去において、株式市場が最も厳しかった調整期を終えて、投資の果実を十分に回収できる水準で上昇した期間です。(p.116)

成果をものにするには、良くても悪くても株式に忠誠を誓わなくてはなりません。これは結婚です。選んだその株を持ち続ける忍耐力と勇気がなければ、たとえ成功しても、単に儲けに強い投資家になってしまうでしょう。投資家の善し悪しを分けるのは、投資哲学、習性であることが多いのです。(p.116)

自称長期投資家が突然、短期の投機家になるのは、彼らが初めに株を買ったときに、「よい会社の一部を買うのだ」と心に決めたことを忘れて、感情に流されてしまうのです。自分では気づかずに、彼らは相場を見て動くという罠にはまっているのです。(p.117)

証券会社が何かを勧めるときは、必ず、それが彼らにとってどういう意味を持つのかを知る必要があります。可能な限りの情報を提供するように求めるべきです。彼らが勧めるファンドに似たものの中に、過去の実績がもっと良いものがあるかもしれません。(p.124)

過去10年間に18%の利益を生んでいるファンドは、同様の運用目的を持つファンドで14%を記録しているものよりも優れた成果を上げていることがわかります。ただし、そのファンドを買う前に、その優れた運用をしたマネージャーが健在かどうかを調べる必要があるでしょう。(p.125)

早い時期に始めるほど有利、計画を持つ、その計画を持続させる、暴落や法制に驚かないといった教訓は、自分の銘柄選びをする際にも通じるものがあります。(p.128)

銘柄を選んで、株価を記入したら、実際に株を買ったときと同じように損得を記録していきます。(p.130)

長期であがる株は長期的に繁栄する会社のものです。ということですから、投資を成功させるためには、そういう会社を見つけることです。訓練期間を最も効果あるものにするには、ただ株価を追うだけではだめです。その会社について、できるだけ多くのものを学びとり、その成功のカギを握るものを探らなければなりません。(p.131)

銘柄選びには、2つの種類の情報が必要になります。
1、目を見開いて見つけるもの
2、数字を吟味して得られるもの

前者は、株式を公開している会社が運営している店に入ったときにすぐにはじめられます。店が上手に運営されているか、人手は足りているか、組織がしっかりしているか、などです。従業員のモラルを推し量ることもできるし、経営者がお金について、しっかりしているかどうかも感じ取れるでしょう。顧客の動向も目にとまります。レジスターに客が並んでいるか、商品についての苦情を聞くかということから、その店の親会社の様子まで知る事ができるのです。毎日のように投資の機会に向き合っているのに、その有利な立場を利用していないのです。(p.135)

数字では、投資に踏み切る前に知るべきことがまだたくさんあります。手持ちの資金を浪費してしまわないで上手に使っているかどうか、銀行借入の額や、売上げの伸び率、昨年度の利益や将来の予想利益、株価は適正な水準にあるか。配当をしているか、その率は?過去の配当率の推移、利益、売上高、借入金、配当、株価、これらは株式投資にあたっての必須の数字です。(p.136)

投資家として実行すべきことは、調査・研究の結果としての予測を立てることです。そして、銘柄を選んだら、高値を避けて買い、良い悪いに関わらずその会社に関して出てくるニュースに目を配ることです。その知識を活用すれば、リスクを低く抑えることができます。(p.137)

株価の表示は、1ドル未満は8分の1で表示されています。「ある株が今日10セント上がった」という言い方ではなく、「8分の1ポイント上がった」という言い方をします。(p.143)

YLD%”は、YIELDつまり利回りの略。債権や貯蓄口座の利回りと比べることができます。(p.144)

PER”は株価収益率の略。株を買うとき、PERはその株の現在価値が割高か割安かを知る一つの目安となります。その水準は、業界や会社によって水準が異なります。PERを使うときは、その会社の過去のPERと比較することが最も適切な方法と言えるでしょう。(p.144)

株価は会社の収益力と直接結びついている。という簡明なことが見過ごされていることが多いのです。経験豊富な投資家の場合でも、例外ではありません。チッカーテープを絶えず眺めている人たちは、株価それ自体が生命を持つものと考えるようになり、上下の波を追います。(p.154)

成功する投資家は、それからの長い年月にわたって利益が伸びる会社を見つけます。(p.155)

株価とストーリーを取り違えるのは、投資家が犯す一番大きな過ちです。ストーリーとは、将来にわたって利益をあげていくために会社内で行われていること、あるいは良くない内容の場合は、損失についてなどの説明です。(p.159) ※いま利益が出ていないし借入金も多いけど、先行投資をしているし、需要も伸びている。などがストーリー。

店頭市場(ナスダックなど)にデビューをすると、当初の公開時には事実上閉め出されていた零細投資家を含めて、誰でも同社の株を買うことができます。時として、零細投資家が最初に公開株に手に入れた大口投資家を出し抜くことがよく見られます。(p.177) ※公開時に熱があがり、熱気が冷めたあと(ここで大口投資家は売りに出してしまう)に、またあがる株などがあるから。

自分の投資を守るためには、その会社の進展状況を注意深く見つめていなくてはいけません。会社の財務面の強弱に注意して見守ることがとくに重要になります。(p.180)

小さく始める若い会社は急成長することができます。小さく、動きやすく、すべての方向に発展するのに十分な余地を持っています。(p.180)

古風な老会社に投資するメリットは、第一に、大きな会社はリスクが少ない、破産の恐れはまずないと考えられること。第二に、配当の支払を期待できること。そして、第三に、含み資産があることです。(p.188)

経済が熱気を帯びてきて繁栄も行き過ぎると、インフレの可能性がでてきます。物資やサービスに対する需要が強く、原材料や労働力も不足してくる可能性があります。財貨が不足すれば、価格はなんでも上がる傾向があります。(p.197)

多くの投資家は、自分のポートフォリオを不況に強いものにすることを教えられています。(p.200)

平均すると、不況は11ヶ月続き、162万人が失業し、回復には50ヶ月かかり、924万人の雇用が創出されていることがわかります。経済情勢は予測不可能であることを心得ていれば、インフレはいずれ鎮静するし、不況からもいつかは脱出できるという信念を持っているからです。(p.203)

相場が直近の高値から10%下がったとき、それを“調整”と呼びます。この20世紀になってからの調整は53回を数えます。平均2年に一度です。また、25%以上の下げは“ベア(熊)・マーケット”と呼ばれています。53回の調整の中の15回がこれにあたります。これは平均6年に一度になります。(p.204)

投資家が調整やベア・マーケットを避けて通る事ができないのは、北国の人たちが吹雪がくるのを避けられないのと同じことです。株式を50年間持っていると、調整が25回、そのうちの8回から9回はベア・マーケットがあると思わなければなりません。(p.206)

ベア・マーケットの問題に対処する簡単な方法があります。株式、あるいは株式投資を買うスケジュールを立てることです。少額の資金では毎月、または4ヶ月、6ヶ月に1度など、定まったときに買う事です。そうすれば、牡牛と熊のドラマから解放されるでしょう。(p.207)

投資家に対するアドバイスは、「猟犬のように行動しろ、そして目の前にある事実以外のことはすねて無視すること」ということです。(p.217)

「誰かを大変なお金持ちにしようとしているときには、少しでもよいから自分もその分け前を確保しておくこと。(p.222)

会社を通じて作られた巨額の資金は、その会社の株式の保有によるものです。会社のなかでの地位が上がれば上がるほど、現金の代わりに株式を給与の一部としてもらう可能性が多くなるし、経営幹部は、決まった価格で一定限度の自社株を買う権利の“ストックオプション”を与えられることが多いのです。(p.230)

経営幹部が給与として株をもらうことは、テーブルで彼らを株主と同じ側に座らせることになります。彼らが株の値上がり益を得るときには、他の株主も潤うことになり、これは双方勝ちという関係になります。(p.230)

アメリカは、1982年当時に比べて、ずっと裕福な国になっています。そしてその繁栄の大きな部分が、競争力を高めるためのレイオフを含む、経営姿勢の変革によるものです。(p.235)


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