title:スターバックス成功物語
author:ハワード・シュルツ
publish:日経BP社
スターバックスって新しい価値観をつくった会社
コーヒー、エスプレッソはもちろん
疲れたときに一休みするところ、ホッと一息いれられるところ
そういう3rd Placeの発想が新しかったはず
スターバックスジャパンでアルバイトをした経験もあるので
今では当たり前に感じすぎるところもあるし
アメリカのスタバのほうが素晴らしい設計が多い
外資系ってどこまで創業者の意向を汲み取れるかが大問題
文化の違いがあるからって
従業員を大切にするという重要な会社の軸を曲げてもいいのか
文化の違いがあるからって
部下やバイトに対して尊敬のかけらも持っていない上司がはびこっていていいのか
私は日本とアメリカのスタバはブランド名が一緒なだけで
中身はまったく違うと思う
どこまで輸入ができるんだろう
輸入をするべきなんだろうか
外国のブランドではなく日本のブランドも
ハワードシュルツさんのようなブランドを作れないのだろうか
働いたことがあるからこそ考えさせられる本だった
スターバックスって新しい価値観をつくった会社
コーヒー、エスプレッソはもちろん
疲れたときに一休みするところ、ホッと一息いれられるところ
そういう3rd Placeの発想が新しかったはず
スターバックスジャパンでアルバイトをした経験もあるので
今では当たり前に感じすぎるところもあるし
アメリカのスタバのほうが素晴らしい設計が多い
外資系ってどこまで創業者の意向を汲み取れるかが大問題
文化の違いがあるからって
従業員を大切にするという重要な会社の軸を曲げてもいいのか
文化の違いがあるからって
部下やバイトに対して尊敬のかけらも持っていない上司がはびこっていていいのか
私は日本とアメリカのスタバはブランド名が一緒なだけで
中身はまったく違うと思う
どこまで輸入ができるんだろう
輸入をするべきなんだろうか
外国のブランドではなく日本のブランドも
ハワードシュルツさんのようなブランドを作れないのだろうか
働いたことがあるからこそ考えさせられる本だった
(スターバックス創立者であるジェリー・ボールドウィンは)「コーヒーの品質を高めるのが目的であって、事業を拡大するつもりはありません」と言った。私はそれまで、ジェリーのように熱意をこめて自社の製品の話をする経営者に会った事がなかった。ジェリーは売上を伸ばすことは考えず、ただ自分がこれだと信じたものを人々に提供することに専念しているのだ。それはビジネスのひとつのやり方であり、販売にも通じている。(p.44)
どんな企業も、まず第一に何を基盤にするかが問われる。スターバックスは単なる良質のコーヒーではなく、創立者が魅せられた深煎りコーヒーの風味を基盤にしたおかげで、ほかのコーヒー店とはひと味違う本物になれたのだ。第二に、顧客の要求するものを提供するだけではダメなのだ。顧客の知らない物や最高級品を提供すれば、顧客の味覚が磨かれるまで多少時間はかかるかもしれない。だが、顧客の発見の喜びと興奮を与え、ロイヤリティを確立することができるのだ。すぐれた商品を提供しさえすれば、たとえ時間はかかっても顧客は必ずそれを選択するようになる。大衆市場に媚びる必要はないのだ。(p.45)
幸運とはチャンスを逃さず、自分の将来に責任を持つことに他ならない。他の人たちには見えないことに目をこらし、だれがなんと言おうと自分の夢を追い続けることなのである。(p.56)
スターバックスは、コーヒーを愛する人々とのつながりを、自分で豆を挽いてコーヒーを入れる家庭との連携だけにとどめてはならない。コーヒースタンドで、コーヒーのロマンスとミステリーを人々に開放すべきなのである。イタリア人は、コーヒーとの個人的な関わりと社会的なつながりを理解しているのだ。(p.67)
企業と社員との間に築かれた信頼関係ほど大切なことはない。経営者から正当な報酬を受けていないと感じた社員は、疎外されたと思うだろう。社員が経営者に不信感を抱くようになったとたんに、その企業の将来は危うくなる。(p.74) ※社員が労働組合を設立して、訴訟になった。
銀行から借金をして資金をつくるのは最善策ではない。株式を発行して資金を集めた場合、自分の思い通りの経営ができなくなる危険性を恐れているのだ。しかし、企業家として事業に対する支配権を確保する最善の方法は、たとえ自分の持ち株が50%以下になっても、実績をあげて株主を喜ばせることだ。(p.74)
経営者が新しいアイデアに耳を傾けようとしない会社は、大きなチャンスを逃すことになる。(p.75)
ジェリーと私の2人の事業に対する考え方や世界観は違っていた。ジェリーにとってエスプレッソ・コーヒー店を出すことは、良質なアラビカ種コーヒー豆を販売する事業からの逸脱を意味した。スターバックスはコーヒーを飲むために立ち寄る店だと思われたくなかったのだ。私にとって、エスプレッソはコーヒー文化のすべてを意味した。コーヒー店で大事なのは、顧客にコーヒー知識を与えるだけでなく、その楽しみ方を直接教えることなのだ。(p.79)
ジェリーは「コーヒーを飲ませることが主体になれば、ほかのレストランやカフェテリアと同じになってしまう。一つ一つの段階は合理的に見えても、最後はコーヒーのルーツまで見失うことになるんだ。」といって反対をした。(p.80)
※一理あると思う。2人ではビジョンが違う。ジェリーはコーヒー豆のこだわりを汚されたくないとして、固執をしていた。分かる人が分かればいいんだ。でも、これが個人経営者だと思う。別に上場をしたいとか、もっと多くの人にという拡大を目指していないのであれば、ジェリーのほうが普通だ。経営者と個人事業主の価値観の違いかな。
成功の要素にはタイミングとチャンスがある。しかし、本当は自分自身でチャンスを作り出し、他の人たちには見えない大きなチャンスが見えたときには、いつでも飛びつけるように準備しておくべきなのだ。(p.84)
※ 金持ち父さんも同じこといっていた。チャンスをものにするために、その下準備をして、チャンスが現れたらそれをつかみとれって。
顧客の期待を盛り上げる必要がある。新しい店舗のすべて、店の名前、店内のセッティング、体裁、コーヒーを入れる際の配慮に至るまで。顧客が何か特別なものを期待するようにしないと。byゴードン(p.88)
成功する人には、ひたむきさが感じられる。そういう人は全力でリスクに挑戦する。大きなリスクに自分から立ち向かう人が少なくなった。by投資家のロン (p.94)
私は投資家に、イル・ジョルナーレは商品に再投資しているのだと訴えた。昔からどこにでもある商品、つまりコーヒーに再投資して情緒と心の交流を織り込むのだ。何世紀にもわたってコーヒーがはぐくんできた神秘な魅力を再発見し、その繊細な雰囲気と形式、技術で顧客を魅了することができるのだ。(p.101)
企業家は、会社の発足当初から、社内文化や価値観、指導理念を組織に浸透させなければならない。それが会社の方針や雇用、経営戦略を決める基盤になる。CEOであろうと幹部社員であろうと、毎日仕事をするにあたって一番大切なのは、会社の価値観をほかの社員、とくに新入社員に啓蒙する事だ。(p.107)
デイブと私は最高のコンビだった。私の長所は外向的で、ビジョンを人々に訴え、投資家の意欲をあおり、資金を集め、土地を探し出し、店をデザインし、ブランドを確立し、未来の成長を企画する能力だ。デイブは社内運営やコーヒー店の経営、バリスタの雇用・訓練、コーヒーの品質管理などに長けている。(p.109)
会社を組織してみれば、自分一人では何もできないことがすぐわかる。心から信頼できる協力者、自分とは違う能力を持ち、価値観が同じ人物を発見できれば、さらに強力な企業を築くことができる。(p.110)
会社の草創期にどのようなシグナルを送り、いかなる価値観を植え付けるかという問題を決して軽んじてはならない。パートナーとくむときも社員を採用するときも、あなたと同じ情熱、意欲、目標を持つ人物を選ぶことが必要だ。そういう人たちと一緒に目標を追求すれば、大きな力を発揮できる。(p.113)
事業の正否はどんな社員を採用するかによって決まる、と私たちは信じていた。デイブは社員にコーヒーの入れ方を徹底的に訓練し、私は営業と経営のやり方を教えた。さらに重要なのは、大きな夢を実現する意欲と、協力して偉大な事業を達成する企業家精神を叩き込んだことだ。(p.117)
事業計画書などは単なる紙切れに過ぎない。いかに見事な事業計画でも、社員がそれを受け入れてくれなければ何の価値もないのだ。社員が経営者と同じ気持ちになり、心底やり遂げようと決意しなければ、事業を継続することはおろか、軌道に載せることすらおぼつかない。そして社員は、経営者の判断が信頼でき、なおかつ自分たちの努力が認められ、正当に評価されるのだと実感したとき、初めて計画を受け入れるのだ。(p.133)
全員を巻き込んだ上で、永くビジネスを左右する重要な問題(イルジョルナーレの名前を残すかどうか)について、最善な選択を行い、最も効果的に競合他社との差別化を図れる名前に決めたかったのだ。あの会社だとすぐにわかってもらえる社名、人々の記憶に残り話題にも上がる社名にすれば、膨大な株式を発行することができる。(p.140)
小売店やレストランでは、顧客がどのような体験をするかで全てが決まる。たった一度印象を与えただけで、永久にその顧客を失うことになるのだ。パートタイマーとして働く20歳の学生や俳優志望者の手に会社の命運が託されているのであれば、彼らを消耗品のように扱ってよいはずがない。(p.165)
結果的に離職率が下がれば、採用や研修にかかる費用を削減することができる。スターバックスでは、店舗部門の社員に対して、最低でも24時間の研修を行うため、1人採用するごとに相当な費用がかかる。当時、社員1人あたりの福利厚生関係費は最大でも1,500ドルだが、新規採用者の研修費用は、1人あたり3,000ドルかかった。小売業界では、意識的にせよ無意識的にせよ、社員の離職は歓迎されている。賃金と福利厚生費を削減できると考えられているからだ。だが、離職率が高いと顧客サービスに悪影響が及ぶ。(p.168)
健康保険制の費用は、75%が会社負担で、社員負担は25%である。さらに、内縁関係の配偶者にも保険が適用されるようにした。若い健康な社員が多かったため、会社の負担する金額は適正な範囲に収まっていた。したがって、月々の支払は比較的低い水準に抑えながら、適用範囲を拡大することができたのである。(p.169)
病気の末期症状に陥った全ての社員に対して、就業不能になった時点から政府の補助が受けられるようになるまでの間、医療費が金額補償されるよう健康保険の適用範囲を拡大した。この期間は通常29ヶ月である。(p.170)
会社の成長にさきがけて経営専門家を採用すると、その時点では経費がかさむように見えるかもしれない。しかし、経験不足で未熟な判断を誤りやすい人間を抱えてつまずきながら前進するよりは、必要になる前から専門家を雇っておいた方がずっと賢明なのだ。(p.190)
企業が倒産したり伸び悩むのは、ほとんどの場合、必要な人材、システム、手順への投資を怠るためである。ほとんどの経営者は、この投資に必要な金額を過小評価してしまう。また、巨額な損失を報告するときのつらい心境も、やはり過小評価している。(p.193)
私は経営上の問題を包み隠さず打ち明け、取締役会の助言を求めた。役員たちは私に、アイデアの正当性をきちんと説明するよう常に求め、取締役会議の席上ではオープンかつ率直に議論が交わされた。また、起業家精神にあふれる私が多方面に手を広げすぎることを恐れて、焦点を明確に定め物事の優先順位をはっきりさせるよう要求した。さらに、大企業の経営経験者を迎えて経営陣の強化を図り、会社の成長に備えることも強く進めてくれた。(p.202)
すべての起業家に対して、次のように忠告したい。あなたのやりたいことがはっきりしたら、同じことをやった経験のある人物を見つけることだ。単に経営者としての才能に恵まれた人間でなく、あなたを導いてくれるような経験豊かな起業家や実業家を探さなければならない。彼らは地雷原に埋められた地雷を見つけだす術を心得ている。大胆に考え行動し、その結果成功した経験を持つ人間は、あなたが同じ事を手がけようとするときに助けてくれる。あなたの価値観と熱意に共鳴し、惜しみなく助言する人物は、あなたが苦しむときには支えとなり、成功したときには自分のことのように喜んでくれる。よき助言者の前では、弱さをさらけ出すことを恐れてはならない。知らないことは知らないと正直に言おう。自分の弱さを認めて助言を求めるとき、驚く程大きな支えになってもらえるのだ。(p.203)
多くの起業家は、権限委譲を渋り、自分に追随する者だけを周囲に侍らせるようになる。頭脳明晰で有為な人材を上級管理職として迎えることを恐れているのだ。しかし、会社が繁栄するためには、何としても聡明な経営陣が必要なのである。有能で創造的な人物は、イエスマンよりもはるかに刺激を与えてくれる。(p.204)
才能ある新たな人材が加わる際には、自分の自負心や自信を周囲に示すことが肝心だ。特定の分野で私よりもすぐれた能力を持つ者が経営に加わるが、自分は一向に構わないという意思表示が必要なのだ。同時に、業務遂行上の権限をその人物に以上したことも、はっきり示しておく必要がある。(p.207)
ハワード(パートナーへの思い入れを人格化した人物)が反論するのは、私を軽んじているせいではないことが徐々にわかってきた。私の問題のとらえ方に同意ができないといっているだけなのだ。彼は怒りや信念や感情を正直に、すぐさま出す。しかし、いったん思いを外にぶちまけてしまえば、素直に相手の考え方を聞いてくれるのだ。(p.209)
ハワードにとって大切なのは、自分の提案の善し悪しではなく、オープンフォーラムに参加したパートナーたちが心置きなく反論できるよう仕向けることだ。社員がある問題で困っていながら、それを素直に語ろうとしない場合、経営者にとって最も建設的な働きかけ方は、その問題を直接取り上げることだ。(p.212)
起業家の発想で事業を運営するのは難しい。ロマンとビジョンのない企業には魂も精神も宿らず、何か素晴らしい事を成し遂げようという社員の意欲をかき立てることはできない。だが、成功した企業もとっぴなアイデアだけでは長続きしない。ビジネスの世界では、夢想家たちは指導者になれず失敗してきた。運営能力を欠いていたからだ。創造的なアイデアを実行に移し、起業家の描くビジョンを具体化する前に、事業を推進する手順、システム、規律、能率などを勘案して基盤を固めておかなければならない。(p.215)
オーリン(社内環境を整えた人物)は、強化が必要な重要部門にベテランの経営専門家を迎え入れ、組織作りを進めていった。対象となったのは、経営情報システム、財務、会計、企画、法務、店舗拡充の各部門である。(p.216)
※対象部門が中小企業診断士の1次科目と同じ。ということは、診断士の勉強は、社内の基盤をつくる上で基礎となる学問ということなんだな。経済はいらないじゃん!
会社の土台と枠組みが強化されれば些細な問題に時間を取られる事がなくなり、新製品の開発や企画に力を集中することができる。また、事業戦略の方向性が明確になれば、長期的な重要課題に的を絞って創造性を発揮できるのだ。(p.217)
オーリンと私のコンビは絶妙だ。起業家の熱意と管理者の統制力。二人の経営者が強い信頼の絆で結ばれていれば、この共同体制はさらにうまく機能する。(p.217)
多くの若い企業が成熟に至らない知勇は、創造性の発現を支援するための組織の構造化や事業運営の確立を怠ったか、過度の構造化で組織が官僚的になり創造性の息の根を止めてしまったかのいずれかである。(p.217)
価値観について語るのはたやすいが、それを実現することは難しい。そして、それ以上に困難なのは、その価値観が本物なのか、単なる飾り物なのかを外部の人間が判断することである。ウォール街が価値観を重視することなどあり得ないのだ。(p.240)
会社の急速な成長に見合うよう、バリスタの採用と研修の方法を体系化した。活力と知性にあふれた人材を確保するとともに、彼らのコーヒーに対する味覚を鍛え、新たな市場でスターバックスの高い水準と価値を再現してもらうためだ。業務部は多数の店舗を同時運営するシステムを導入した。シアトルのオフィスでは、不動産、設計、店舗計画、建設の各部門が協力して店舗開発手順を開発した。これは、半年で新規店舗のオープンを可能にする優れものだった。不動産戦略の見直しも行った。地域ごとの人口統計学的な特徴をまとめたマトリックスと、業務基盤を整備する最善の方法を分析した結果をもとに、向こう3年間の拡張計画を策定した。各地域ごとに「中心」となる都市を決め、新規店舗を支援する専門家チームを配置することにした。大規模な市場へは、最初の2年間で20店舗のオープンを目標に進出を図る。次に、この中心都市から近郊の市場へ放射状に出店地域を広げていく。この場合、人口の少ない都市や郊外地域であっても、スターバックスの典型的な顧客層と人口統計学上の特徴が類似していれば、対象地域に含むことにした。(p.260)
社員の起業家精神をいったん封じ込め、後から改めて発揮させようとするのではなく、新入社員として採用した時点から、この精神を育て上げていくべきだと私は確信している。社員の素晴らしいアイデアを上層部が無視すれば、社員はやる気をなくしてしまうのだ。(p.290)
われわれはブランドの確立を目標に掲げた事はない。目標は、素晴らしい企業を築き上げることだった。何かを目指す企業。製品が本物であること、社員が情熱を抱くことに価値を見出す企業。そういう起業を目指してきた。(p.334)
(どのようにブランドを形成してきたといえば)われわれは、社員の間にブランドを浸透させることからはじめた。クラッカーやシリアルを扱う企業が、まず消費者にブランドを浸透させたのと正反対のやり方だ。顧客の期待に応え、喜んでもらうには、優秀な社員を採用し教育するのが一番だと信じていた。だからこそ、コーヒーに熱意を燃やす社員の育成に投資してきたのだ。小売業務に従事するパートナーたちは、その熱意と献身でコーヒーとブランドを広める最大の力となってくれた。(p.334)
すぐれたブランドは下記のような特徴を備えているという。
・ 記憶に残りやすいはっきりとした特徴
・ その製品を持つと見映えがして、気分もよくなる
・ 快適さを感じる強力な販売チャネルを持っている(スタバでは店舗)
・ 成功させるには、生き生きと力強く振る舞える分野で、独創的でわかりやすいビジョンを掲げる
これらの要素は、ひとつとして書かす事ができない。ただし、それらが効果を発揮するには、経営陣による適切な運営が必要なのだ。(p.335)
われわれは、製品志向、人間志向、価値志向の企業だ。われわれの場合は、市場を拡張することによって、新たな市場を生み出す。(p.336)
ブランドに対する顧客の信頼は、直営店を舞台にして社員が一人ひとりの顧客と交流を重ねることによって培われてきたのだ。自社製品の販売を自社で管理できれば、その製品を理解しているかどうか分からない小売業はに好きなように扱われる心配はない。(p.336)
昔から、地元密着型の小売店は競合相手との差別化を図り、周辺の他の店では得られないような商品、サービス、品質を提供することで得意客を獲得し成功してきた。われわれが他社と大きく違っている点は、このやり方を全国規模で展開したことにある。(p.338)
どの店も、顧客が、見、触れ、聞き、嗅ぎ、味わうすべてのものに気を配りながら運営されている。感覚を刺激するあらゆるものが、高い基準を満たしていなければならないのだ。絵や彫刻、音楽、香り、外観、そしてコーヒーの味わい。それぞれを通して「ここにあるものはすべて最高だ」というメッセージを顧客の潜在意識に送り届ける必要がある。(p.345)
新しい町に進出する最には、あらかじめ何らかの刺激を与えておかなければならない。地域の電灯や現在の関心ごとなどを探ることから活動がはじまる。進出に合わせて、創造性豊かな社員が、それぞれの土地柄を表す図柄をデザインした。少なくとも1回は、開店記念の大掛かりなイベントを開催し、その収益を慈善団体に寄付した。新しい店舗をオープンする前には、それぞれの地域でスターバックスの「大使役」を務めてくれそうな人をリストアップする。まず、その町に友人や家族がいないかパートナーに尋ね,該当者がいる場合は、開店前夜祭か開店記念イベントに招待した。試飲会にも、地元の貴社、食品評論家、シェフ名門レストランのオーナーなどを招待した。コーヒーとお菓子が楽しめるパーティーは無料だが、地元の非営利団体への寄付金として1人3ドルをお願いしている。(p.349)
(提携などの契約を結ぶときの不安の)解決策としてとった方法は、まず適切な相手を選び、その社員を徹底的に教育し、われわれの定める基準を守っているかどうか定期的に厳しくチェックすることだった。提携交渉が始まると、最初に相手がどんな企業であるかを見極める。会社を問わず、われわれが求めているのは、それぞれの分野でブランドが広く認知され、高い評価を得ている企業なのである。また、品質や顧客サービスに強いこだわりを持つ企業でなければならない。われわれは、スターバックスの価値観を理解し、そのブランドとコーヒーの品質を守る事を約束してくれる相手を捜しているのだ。財務上の問題を検討する前に、ここに挙げたすべての条件について詳しく調べることにしている。(p.374)
当初から独自の不動産戦略に沿って拡張計画を実行に移し、自分たちが望ましいと考える場所に出店してきた。競合相手に応じる形で店を出したことなど一度もない。進出にあたっては、当該地域の人口統計学上のデータ、当社の人的および財務的資源の状況、地域のコーヒーに対する関心度、何店舗くらい出店できるかなどを綿密に検討している。(p.386)
どの地域でも、開封して1週間たったコーヒー豆は食糧銀行に寄付する。(p.387)
会社が健全な状態であり、十分に管理されていることを示すには、利益を上げることが必要なのだ。われわれは利益を配当金に回したことはない。すべて、事業へ再投資している。(p.403)
パートナーたちの共通する価値観を反映させるたには、出店している地域やコーヒー生産国の有意義な活動を会社が代表して支援すべきだ。(p.403)
4種類の店舗タイプと4種類のデザインを組み合わせたものとなった。
・ コアA・・・もっとも典型的な1,400平方フィートの店舗、移動可能な座席、スターバックスの全製品を揃える、4つの色見本とデザインの中からどれを選んでも良い
・ コアB・・・コアAよりも小規模な店舗で、空間の有効活用に主眼を置く。どの色見本とデザインを使ってもいいが、コアAよりも費用はかからない
・ プリーブ・バー・・・スーパーマーケットやオフィスビルのロビーに出店するタイプ。それまでオープンできなかった場所でも営業できる小型店舗。
・ ドピオ・・・最も小さな規格。およそ8平方フィーとの場所に設置可能。必要な器具類は全てそろっていて、簡単に移動もできる。
(p.434)
経営者はいつもチアリーダーになれないし、またなる必要もない。むしろ社員が会社の偉大な業績を理解するとともに、その弱点や苦境を正しく把握できるようにするべきなのだ。いざという場合に、気勢を煽るだけの演説をしてはならない。社員は景気のいい言葉ではなく実質的な言葉を求めているのだ。必要なのは、行動計画と、その実践方法にほかならない。社員が望んでいるのは、問題を解決するための責任と権限を与えられることなのである。多くの経営者は、自分たちの決定に従っている社員に会社の苦境を訴えるのがいかに難しいかよく知っている。しかし、会社が苦しいときに経営陣が率直に語ることによって、社員は順調なときにも経営陣の言葉を信用するようになるのだ。(p.443)
ビートルズはテレビ番組でルアーの中止を決意した理由を語りあった。「みんなが会場で叫べば叫ぶほど、われわれのバンドの質が落ちていく。歓迎されているのはうれしいけど、自分たちの音が聞こえなくなったんだ」とポール。(p.456)
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